第66回日本老年医学会学術集会
第66回日本老年医学会学術集会
会長挨拶
第66回日本老年医学会学術集会
会 長:荒井 秀典
(国立長寿医療研究センター 理事長)
荒井秀典

 この度、第66回日本老年医学会学術集会を2024 年 6 月 13 日(木)~15 日(土)、ウインクあいち(愛知県)で開催させていただくことになりました。
 世界的に高齢化が進む中、2020 年より始まったCOVID-19 によるパンデミックは日本をはじめ世界的に大きな社会的影響を与えました。特に身体的にも精神的にも社会的にも脆弱な存在である高齢者への影響は甚大であり、様々な対応がなされたにもかかわらず、高齢者におけるフレイルの進行、社会的孤立の悪化などが問題となりました。超高齢社会となった我が国においてはフレイル、認知症のみならず、COVID-19 によって影響を受けた様々な課題に対しては、今後のパンデミックや災害を見据えて、常に先手を打つ必要があり、適切な対策により高齢者の健康寿命の延伸とWell-being の向上を目指していくことが求められています。すなわち、フレイル予防、多職種協働、地域包括ケア、新たなテクノロジーの重要性がますます高まっており、これらの重要課題における老年医学の役割は今後ますます大きくなることが期待されます。
 このような背景を受けて3 年ぶりに愛知県名古屋市での開催となったことを受け、今回のテーマを「4つの愛(I )で拓く老年医学の展望 ~Integration, Interdisciplinarity, Innovation and artificial Intelligence~」と致しました。本学術集会において高齢化・老化に伴う諸問題を解決するために臨床的なアプローチに加えて、基礎医学的、疫学的、社会科学的、遺伝学的、工学的なアプローチを用いて学際的に議論を深めることができればと考えています。AI など新しいテクノロジーの進歩をいかに、高齢者医療・介護の現場で活用し、健康寿命の延伸、Well-being の向上に繋げることができるかどうか、皆で知恵を合わせて取り組んでいきたいと思います。
このテーマにふさわしい内容で、招請講演、他学会との合同企画や本学会の委員会企画によるシンポジウム、尼子賞、YIA、研究助成等の受賞記念講演、ダイバーシティ委員会企画、一般演題、教育企画、共催セミナーなど多くの企画を準備したいと思います。
 是非ともこれからさらに深刻化する高齢化に伴う諸問題を議論するために、ウインクあいちにお越しくださいますようお願いいたします。