フォーサム2023大阪/温故知新 ~時を超える英知の結集~ フォーサム2023大阪/温故知新 ~時を超える英知の結集~

ご挨拶

第59回日本眼感染症学会

会長:宮﨑 大
(鳥取大学医学部視覚病態学分野)

宮﨑 大

2023年7月7日から8日において、大阪国際会議場で第59回日本眼感染症学会を開催させていただく運びとなりました。開催に当たりまして、日本眼感染症学会及び会員の皆様、ご支援いただいた先生方、協賛企業の方々に厚くお礼申し上げます。

感染症は、人類誕生以来の命題です。とくに、我々はいまさらながらウイルスの重要性を思い知らされております。たとえば、その誕生はRNAウイルスにはじまり数十億年前とされます。 その起源は普遍的細胞祖先よりも古く、多様な進化をとげています。私たちが苦しめられてきたSARS-CoV-2は、RNAウイルスですが、今更ながら本来の地球の盟主は誰かという課題をつきつけているようです。

一方、眼感染症や眼炎症におけるウイルスの関与を考えますと、DNAウイルスであるヘルペスウイルスによりこれらの多くが起こっています。我々とヘルペスウイルスとのつきあいは4億年と長く、始まりは脊椎動物が地上に出現したころからとされています。

感染症学は、医学の古典ともいえる分野です。しかし、今も進化をとげており、私たちは謙虚に学んでいく必要があります。

さて、今回の学会のテーマは、温故知新 時を超える英知の結集です。温故知新として先人たちの素晴らしい知見と現代的な解釈を融合させたいと考えています。

現在の我々眼科医の行動指針は、過去のエビデンスの上に築かれたものです。しかしながら、エビデンスは、社会情勢や適用される医療環境によりその意義や解釈は変わります。

私たちが日々、目にするガイドラインは、このための重要な指針として機能します。さて、今回、最新の感染性角膜炎診療ガイドラインが、今まさに世に出ようとしています。シンポジウムでは、そのホットな情報を紹介します。

一方、近年、学会開催における近年の課題として、リアルとバーチャル、どのように選択するのか、多くの議論がされています。たとえば、病原体を現場で体験することは、感染症への深い理解につながりますし、バーチャルで共有することでより幅広い議論の醸成が可能と考えています。今回は、このような考えのもと、病原体の体験企画を準備いたしました。

未来の眼感染症学は、コロナ禍を経て、さらに進化をとげていきます。たとえば、人工知能技術の臨床応用も進んできています。また、大規模言語モデルの導入は、こうした流れを加速するはずです。

本学会では、過去から現代に至るまでの医学の進化を見つめ直し、未来に向けて新たな知見を生み出すために、共に学び、最新の情報を共有し、未来の医療に貢献することを目指したいと思います。

皆様方のご参加を心よりお待ちしております。

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