大会長挨拶

第31回日本血液透析濾過医学会学術集会・総会
大会長 田代 学(社会医療法人川島会川島病院腎臓内科)

 第31回日本血液透析濾過医学会学術集会・総会を2025年9月27日~28日に神戸国際会議場で開催いたします。透析患者は高齢化しており、患者数が著増しているHDFについての知識を向上できる貴重な学術集会を主催させていただくことは、身に余る光栄であり、その責任の重大性も感じております。
 わが国の透析技術は世界最高水準であり、HDFによるlarge-middle溶質の除去効果、除去目標値など我々が積み上げてきたエビデンスを全世界に発信していく必要があると思います。また透析中に発生する酸化ストレス、炎症性サイトカイン、フリーラジカルや透析膜の圧力損失、蛋白変性に伴う血小板の付着などの生体適合性の問題もあります。それらの因子が透析患者の合併症やフレイル・サルコペニアの要因になっています。
 今回、『Stress-free HDFを目指して』というテーマで、学術集会を企画し、それらのHDFにおける問題点を議論して共有することで透析患者に優しい医療とケアを提供するだけでなく、我々医療者側のストレスも軽減できるような透析医療を目指すメッセージをポスターに込めております。また、多職種連携の強化をパズルのピースで表現しました。
 川島会では、アルブミンを含めたlarge-middle溶質の除去を推進しておりますが、大会長講演では、我々が積み上げてきたエビデンスと、現在研究しているアルブミンレドックスの面から、低アルブミン血症によるアルブミンの新生(=質の改善)が重要なことを発信したいと思います。
 学術集会が、HDFに関わる多くの方々の貴重な議論の機会となるように、魅力的なプログラムを数多く企画しましたので、有意義な議論の場になれば幸いでございます。今回は交通の便を考慮して徳島県ではなく、神戸で現地開催し、全員参加の懇親会を予定しています。大阪・関西万博の時期でもあり、多くの皆様のご参加を期待しております。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。