会長挨拶

  • 会長挨拶
  • 分野会長(心臓)
  • 分野会長(食道)

第75回日本胸部外科学会定期学術集会 会長

東京大学医学部附属病院 呼吸器外科

中島 淳

会長 中島 淳

この度、第75回日本胸部外科学会定期学術集会を2022年10月5日(水)~10月8日(土) パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催いたします。何卒よろしくお願い申し上げます。秋晴れの中、皆様とお会いできることを心から楽しみにしております。

第73回定期学術集会(2020)より会長と他の2分野から選ばれた分野会長2名によって運営され、3分野すべてにおいてup to date、かつ重要性の高いプログラムの構築がなされるようになりました。第75回より分野会長も互選制となり、心臓血管分野からは東京医科大学 荻野 均 教授、食道分野からは千葉大学 松原 久裕 教授が選ばれ、3名で協力しながら本学会を司ることとなりました。

第75回学術集会のテーマは「協奏する胸部外科」です。本学会を構成する3分野の医師・
医学者が同じ胸部の疾患を有する患者さんを適切に治療するために、お互いの技量を高め、
知見を新たにする目的をもって集う学術集会です。分野を超えた知識・技術を共有し協力するとともに、外科という技をお互いが切磋琢磨して高めていくことが望まれます。本テーマの「協奏」は共有・協力・そして競争の意味を込めたものですが、これに基づいて様々なプログラム企画を考案する所存です。分野会長とともに、3分野それぞれの専門性の高いトピックスはもちろん、各分野に共通した課題に対するセッション、そして地方会との連携を深め、若手医師の積極的な参加を期待するCase Presentation Awardなど、多くの方に興味を持ってご参加いただける会を開催したいと存じます。

臨床医学における専門家細分化の流れは半世紀にわたり変わらぬものであり、外科系においても日本外科学会認定医から始まり日本胸部外科学会認定医、さらに現況の心臓血管外科専門医・呼吸器外科専門医・食道外科専門医という、サブスペシャルティへの分化がなされてから久しいものがあります。しかし、胸部臓器に対する外科治療は外科系各分野の中でもとりわけ手術侵襲度が高く、高度な技術と知識を要するということは他分野の医師からも十分認識されています。3分野いずれの専門を極めるためには日々自らを律するのみならず、
同じ胸部の外科を担当する医師の協力・協調、そして若手医師の積極的な参加を得ることが必要であり、また今後の発展の継続につながるものと存じます。

澤 芳樹 理事長が言われるように、日本胸部外科学会は3分野の学術的発展はもとより、共通目標の課題解決とその実践を目的として、3分野のバランスのもとに運営されてきました。この数年では学会の社団法人化、学会雑誌であるGTCSのIF取得、そして地方会との連携強化など、目に見える改革が行われてきました。学術集会におきましても前述のとおり分野会長の創設など変革を遂げているところです。若手医師から指導医の皆様方にはより多くのご発表・積極的なご参加を賜り、学会に参加して良かったと実感いただけるよう企画運営に注力したいと存じます。

学術集会開催前後における新型コロナウィルス感染症の動向は予想し難いものがありますが、現地開催を目指し、臨機応変に対応していく所存です。

末筆になりますが皆様の益々のご活躍を祈念申し上げます。

第75回日本胸部外科学会学術集会 分野会長(心臓)

東京医科大学 心臓血管外科学分野 主任教授

荻野 均

荻野 均

第75回日本胸部外科学会学術集会におきまして、心臓分野会長を仰せつかりましたこと誠に光栄に存じます。また、中島 淳統括会長および松原久裕食道分野会長と、各領域を代表する一流の先生方と共に、伝統ある本学会学術集会を担当させていただきますことはこの上ない栄誉であり、本学会会員の皆様に心から感謝申し上げます。

この度、中島会長が掲げられた学術集会のテーマは「協奏する胸部外科」であり、まさに我々の独自性、特徴を示し発揮させるものといえます。本学会は、各領域学会の上流に位置する基幹学会として長い歴史を経て発展して参りました。海外に目を向けますと、同様の学会として米国AATS/STSおよび欧州EACTSがあり、世界中の外科医の注目を集め、この領域の医療を主導しています。本学会はそのカウンターパートとして国際性を堅持し、本邦の胸部外科の臨床・研究の発展、外科医の育成、国民の健康へのフィードバックなどを主要命題に、生命に関わる重要臓器を扱うエリート外科医集団として,医療安全、外科離れ、処遇問題・働き方改革・施設集約化、コロナパンデミックなど直面する喫緊の重要課題に一致団結して取り組む必要があります。その主たる議論の場が学術集会であり、会場での熱い討議に期待を寄せています。

担当します心臓領域では、各々7-8名のメンバーで構成された13の部門に分け、各部門
会で議論に議論を重ねプログラム案を選定いたしました。海外在住のメンバーの参加もあり、オールジャパン体制でプログラム構成に尽力いただき感謝の念に堪えません。魅力ある充実した内容のプログラム案が作成できたと自負しております。各部門が注視する重要課題が熱心に討議された一方で、直面する問題点も少なからず浮かび上がり、それらをまとめ上げ、プログラムに反映させる重責をひしひしと感じております。今や細分化、専門分化された本領域においても、同様に「協奏する心臓外科」が主要命題であり、学術集会において心臓領域の明るい未来に向け、そのタクトを振る覚悟でおります。

最後に、「協奏する胸部外科」は、各領域が切磋琢磨し、sustainabilityとresilienceを兼ね備えながら輝かしい未来に向け更なる発展をめざす学術集団であり、その記念すべき学術集会の開催に向け、神戸の地で「胸部心臓血管外科医」としてスタートした39年の心臓外科医人生の集大成として臨みます。皆様、奮ってご参加いただき、ご支援いただきますようお願い申し上げます。

第75回日本胸部外科学会定期学術集会 分野会長(食道)

千葉大学大学院医学研究院 先端応用外科

松原 久裕

松原 久裕

この度、第75回日本胸部外科学会定期学術集会 分野会長(食道)を拝命致しました。歴史ある本学会の分野会長であり、たいへん光栄に存じております。第75回日本胸部外科学会定期学術集会統括会長である中島淳会長をできるだけ補佐しながら、本定期学術集会の成功へ向け、尽力して参ります。本学術集会のテーマは中島会長の提案により「協奏する胸部外科」というたいへん魅力的な、また3分野が協調して活動する本学会にまさに最適のテーマです。ポスターには協奏するオーケストラが描かれており、会員各位がそれぞれ魅力ある音を奏でてその集合体として、本学術集会が極めて魅惑的な成果を得られるものになると確信しております。COVID-19が未だ完全には収束していない状況下での開催準備となり、不透明な中ですが中島会長を軸に荻野均分野会長(心臓)とともに協力して現地開催を目指し準備を進めております。開催時にはワクチン接種も十分に行き渡り、感染状況も落ち着いていると信じております。学術集会の最も重要であり、醍醐味のある活発な討論が現地開催により、すべての会場で繰り広げられることを心より期待しております。

食道分野に関してはプログラム委員の先生方と検討を重ね、上級セッションはシンポジウムとして「これまでの食道外科手術を未来にどう生かすか」、ビデオシンポジウムに「進行胸部食道癌に対するMIEの適応と工夫」、パネルディスカッションとして「鏡視下、ロボット支援下手術時代の開胸手技の意義」、ワークショップを2セッション「Health-related Quality of Lifeからみた食道癌手術のbest practice」、「cT3b症例の治療戦略」、さらにビデオワークショップとして「ロボット特有の手技を活かした食道癌手術」と決定致しました。その他、ディベートして「食道再建経路 胸骨後 vs 後縦隔」、胸部外科学会において恒例となっており、たいへん人気のあるテクノアカデミー「食道外科専門医:手術ビデオ審査のポイント」を準備しております。また、特別企画として2022年発刊予定の「食道癌取扱い規約 第12版の解説」を予定しております。いずれも時機を得たたいへん興味深いテーマだと思います。また、胸部外科学会ならではの3分野合同セッションも中島統合会長、荻野分野会長とともに検討を重ね、盛りだくさんの内容となっております。是非、多数の会員皆様が会場に足を運んで頂き、繰り返しになりますが熱のこもった討論が多くの会場で展開されることを熱望して、挨拶の言葉に代えさせて頂きます。