第36回日本臨床微生物学会総会・学術集会
総会長 八木 哲也
名古屋大学大学院医学系研究科
臨床感染統御学分野 教授
令和6年能登半島地震で被災された地域の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
この度、第36回日本臨床微生物学会総会・学術集会総会長を拝命しました、名古屋大学大学院医学系研究科 臨床感染統御学の八木哲也です。総会長を務める機会をいただき、大変光栄に思います。改めて身が引き締まる思いです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、新しい遺伝子検査機器が広く導入され、検査の精度や検査前確率の検査後確率への影響などが見直され、臨床微生物検査の在り方も新たなステージに入ってきています。今回の総会のテーマは、「Adapt!適応せよ!-革新と継承の時代に適応できる臨床微生物検査-」と定めました。臨床微生物検査の現場では、新型コロナウイルスのパンデミックを乗り越えた後も、遺伝子検査をはじめとする新しい検査機器の導入・普及や検査の自動化などの新たな潮流の中にあり(革新)、一方で従来の技術や経験の伝承、人材育成(継承)などの課題があります。私達は常に、新たに生じる環境の変化にさらされながら、それに真摯に向かい合い「適応」することが求められています。進化の歴史の中ではかのダーウィンが言った如く、「変化に適応できたものが生き残る」ことになるわけです。本総会・学術集会が、貴重な技術や経験、新たな知見を学び取る場となり、現場での「適応」の糧になることを願います。
本総会・学術集会の副会長を藏前仁先生(医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 安全環境管理室 副室長)に、プログラム委員長を小泉祐介先生(和歌山県立医科大学 臨床感染制御学講座 教授)にお引き受けいただきました。プログラム委員の先生方からも素晴らしいアイデアをもとに、有意義で魅力的なプログラムを創り上げていきたいと考えています。難しいことはさておき、本総会・学術集会が会員の皆様の交流の場となり、楽しく学べる会にしたいと考えます。
本総会・学術集会の開催に向けて学会スタッフも含め、一丸となって精励努力しております。是非会員の皆様方におかれましては、学会に参加し学術集会を盛り上げていただくよう、お力添えをいただければと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
第36回日本臨床微生物学会総会・学術集会
副総会長 藏前 仁
医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院
安全環境管理室 副室長
この度、副総会長を拝命いたしました医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院 安全環境管理室の藏前仁と申します。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症となり、さまざまな社会活動が再開され、それに伴い感染症の発生動向がコロナ禍の3年間と異なる様相を呈しております。
微生物検査を取巻く環境では、遺伝子分析装置を用いた迅速診断や自動化装置の普及により、微生物検査の環境は大きく変化しています。また、休日や夜間でも微生物検査体制が充実し、感染防止に向けた多職種や他施設との連携業務も進んでいます。これらの新たな動向と並行して、伝統的な知識・技術・思考の継承も重要視されており、微生物検査は過渡期を迎えています。
このような背景から本総会・学術集会のテーマは、総会長の八木哲也先生を中心に「Adapt!適応せよ!-革新と継承の時代に適応できる臨床微生物検査-」とさせていただきました。本総会・学術集会で得られた知見が各施設において、“変わるもの(革新)” と “変わらぬもの(継承)”への適応(Adapt)に役立ち、更なる臨床貢献できる微生物検査体制、そして感性と行動力に長けた、“気付きと考動”を体現できる微生物検査室の確立に繋げたいと考えます。
また、プログラム委員長の小泉祐介先生をはじめプログラム委員の先生方からテーマに沿った多彩なアイデアをいただき、ご参加いただける皆さまに寄与できるプログラムを企画しております。
本総会・学術集会が皆様にとって、楽しく、質の高い学びと豊かなコミュニケーションの場をお届けする機会となりますよう尽力いたします。多くの皆様にご参加いただき、有意義な学術集会となりますよう、何卒ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
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