会長挨拶
  JSGOE & ASGRS 2025 学術集会長
小林 裕明
鹿児島大学医学部産科婦人科 教授
同 婦人科がん先端医療学講座(寄附講座) 教授
 このたびは伝統ある日本産科婦人科内視鏡学会(Japan Society of Gynecologic and Obstetric Endoscopy and Minimally Invasive Therapy: JSGOE)の第65回学術集会を、アジア婦人科ロボット手術学会(Asian Society for Gynecologic Robotic Surgery: ASGRS)の年次学術集会と併催(JSGOE & ASGRS 2025)させて頂くこととなりました。すでに本HPのビデオメッセージでもご案内してきましたように、城山ホテル鹿児島を会場として、2025年9月18-20日の3日間会期でJSGOE 2025を、19-20日の2日間会期でASGRS 2025を開催いたします。

 皆様ご存じのように、来年4月から万代昌紀先生が理事長のJSGOEと私が理事長を拝命している日本婦人科ロボット手術学会(Japan Society of Gynecologic Robotic Surgery: JSGRS)は合併し、婦人科鏡視下手術を統合するより充実した学術団体である日本産科婦人科内視鏡・ロボティクス学会(Japan Society of Endoscopy and Robotics in Gynecology and Obstetrics: JSERGO)となります。我々を含めた多くの先生方が、ロボットをはじめとする婦人科鏡視下手術の保険収載の遅れ、コロナ禍で拍車がかかった国際化の遅れ、転換期を迎えた鏡視下手術に関する教育手法の改革などへの不安を払拭するために、両学会を統合する必要性を感じた次第です。子宮鏡も含めた鏡視下手術の発展に寄与するだけでなく、産婦人科専攻医たちがこぞって入会し、ひいては骨盤外科を目指す多くの研修医・医学生たちが産婦人科選択する理由となるような学会へと発展していくと期待しています。

 今回は合併前最後の学術集会となりますので、テーマを「腹腔鏡とロボットの共存共栄」とし、ポスターでは桜島の夜景の上空に腹腔鏡鉗子とロボットアームが南十字星のように手を取り合って浮かんでいるものとしました。それを見上げている二人は合併後の新学会を盛り上げてくれる若き医師たちのシルエットです。サブテーマは金融危機やコロナ禍などの時期によく使われた「新たな常識・通常」という意味のNew Normalです。明治維新の中心となったここ薩摩から、鏡視下手術に関するネクストステージを提言したいという思いから「Medical 'New Normal' from Satsuma」とさせて頂きました。日本語のサブテーマは維新の維の字を医療の医に変えて薩摩医新としましたが、鹿児島には同じ呼称の銘酒「薩摩維新」があります。懇親会ではこのテーマブランド焼酎に加えて、森伊蔵・村尾・魔王の3Mをはじめとする鹿児島の銘酒をふんだんに準備しますし、森伊蔵や薩摩維新が当たる利き酒大会もありますので、楽しみにご参加いただければ幸いです。

 ありがたいことにJSGOE 2025では900題を超える演題を応募頂き、これに指定演題も加えて、シンポジウム、ワークショップ、一般口演、ポスターなど組ませていただきました。授賞対象としては学会賞講演(動画)とEnglish Sessionがあります。アジア各国から演題応募を頂いたASGRS 2025に関しては第6会場を専用会場とし、通常のOral PresentationとVideo Presentationに加えて、それぞれに授賞対応のセッション(40歳以下の希望者を対象としたEarly Career Award)を企画しました。同じ会場ではJSGOEとのJoint Sessionとして‘Meet the Experts’のセッションを設けています。アジア・欧米からのExpertの示唆に富んだご講演を楽しんでいただきたいと思います。両学会とも、これらに加えて種々の特別講演、講習会、研修会およびハンズオンセミナーなどがありますので、存分にお楽しみください。

 鹿児島は雄大な桜島、美しい錦江湾、天孫降臨の地・霧島連山等々、豊かな自然に囲まれています。また火山の恵みにより多くの温泉地があり、指宿では砂むし温泉も楽しめます。現地参加された皆様にはぜひお楽しみいただければ幸いです。

 では、教室員一同、御来鹿を楽しみにお待ち申し上げます。