ペインクリニックの言い伝え

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会長挨拶

当番世話人

日本ペインクリニック学会 第59回学術集会  
会長 安部 洋一郎  

(NTT東日本 関東病院 ペインクリニック科 部長)

ご挨拶(第4報)

現地周辺のみどころについて解説したいとおもいます。

まずは高輪ゲートウェイ駅については第3報でお知らせしたのでご参考になさってください。学会会場より北、東京タワーと六本木ヒルズの中間に2023年秋にオープンした日本一高い高層建築「麻布台ヒルズ」があります。公式HPを見てみると電車のアクセスだけでなく、駐車場の空き状況がリアルタイムで表示されます。ゲートウエイ駅から高輪台のほうへ歩いていくと(関東地方は山、谷が鳥の足のように交互にあるためやたら「台」が地名につくことが多いです)。赤穂浪士ゆかりの泉岳寺、さらに北へ歩くと上皇様が一時的にお住まいになられた仙洞仮御所と呼ばれた高輪皇族邸があります。また、NTT東日本関東病院近隣の八芳園は旗本大久保彦左衛門屋敷跡とのことです(2025年2月から9月まで改修工事のため全館休館中)。学会会場から京浜急行に乗り、品川駅南隣りに北品川駅があります。(北品川は品川区の北部ということで命名されたそうです。JR品川駅より南なのに北品川また、品川駅は港区、目黒駅は品川区で以前はセントルイスの漫才ネタでした。駅名と土地のずれの歴史も興味深いものがあります)。その北品川周辺は東海道の第一の宿場町品川宿のゆかりの店、風情が多く残っており屋形船の船着き場や商店街には江戸落語の舞台の店が多数あります。そこから徒歩数分のところに徳川家康公が関ヶ原の戦い前に詣でたという品川神社があります。品川神社は鎌倉時代創建で源頼朝が開いたとされ、時代が下がって徳川家康が関ヶ原合戦の前に詣でたといわれる由緒あるそして縁起の良い神社です。

今回の懇親会ではこの神社ゆかりの獅子舞を町内会の有志でご披露していただきます。皆様に東京(江戸)風情を見ていただきたいと思います。

新旧さまざまな施設がある東京ですが時代を繋ぐ歴史に思いをはせて頂ければ幸いです。

ご挨拶(第3報)

JR東日本から2月4日付けでTAKANAWA GATEWAY CITY 街びらきまで50日と銘打ったプレスリリースがありました。(3月27日12時オープン)

要約すると

  • 構想から20年、100年先の心豊かな暮らしのためのイノベーションや文化を生み出す街がコンセプト
  • 警備ロボット、清掃ロボット、デリバリーロボットなど最新テクノロジーが搭載されている実験の街
  • ここでしか体験できないコト、手に入らないモノが盛りだくさんの街
  • 将来の空飛ぶクルマ発着場(2028年商用開始予定)
  • 150年前の高輪築堤を鉄道が走る風景と未来の風景をAR(拡張現実)で体験できる
とのことです。

59回目のペインクリニック学会での熱い議論の合間に日本の近代の夜明けから未来の暮らしを覗いてみてください。お待ちしております。

ご挨拶(第2報)

本学術集会の趣旨と教育講演、シンポジウムについてご説明いたします。

ペインクリニシャンは痛みの種類を分析し、適切な治療戦略を立てなければなりません。本学術集会では診断に必要不可欠な痛覚変調性疼痛のより深い理解や新頭痛ガイドラインの変更点の解説をお願いしております。治療技術の向上に関する講演も多数お願いしております。神経ブロックをはじめとしたインターベンション治療各種は外科的手技が入りますから当然得意、不得意、上手、下手といった技術格差が生じます。今回は手技についても突っ込んだ議論を行いたいと思います。同一ブロックに対しアプローチに関する議論やベテラン術者の成功のコツ、また遂行しにくい場合の対処法などの議論を行いたいと思います。リハビリテーションでは運動誘発性鎮痛のメカニズムについて学びたいと思います。痛みは生活習慣病とみなされつつあり、実際患者の生活習慣改善が痛みの改善に直結しますので、臨床心理士や理学療法士の先生とともに具体的な治療体系を検討したいと思います。

また、本学術集会のサブテーマとして「痛みの末梢 path wayの再検討」を試みたいと思います。 近年、慢性痛における末梢神経レベルでの痛み回路(path way)の新たな知見が多数見受けられます。末梢神経周囲の微小環境に痛みの制御機構が存在しているという報告が増えております。iPS細胞やES細胞から作成する器官(オルガノイド)による研究報告では神経障害状態では神経根周辺のグリア細胞の活性化だけでなく血液から漏出したマクロファージが神経組織に接着し様々な痛み情報の制御を行うことがわかってきました。末梢神経の感作というべき状態であり、神経ブロックなど末梢神経治療の重要性が再認識される可能性が大いにあります。また、三叉神経痛や腰下肢痛、上腕痛などは痛みの原因箇所より逆行性伝導ともいうべき末梢に痛み情報が伝わっています。近年、アロディニア物質が川股知之先生らによって末梢でも発見されました。近接した神経根周囲のグリア細胞の活性化などの報告もあります。実臨床では脳梗塞後の疼痛も脳深部刺激より脊髄刺激療法が有効であったりします。また、ボトックスによる頭痛、下肢痛に対する鎮痛の報告も以前よりあります。近年は神経根と交感神経を繋ぐ交通枝の神経発芽で交感神経との連携が密になるだけでなく、痛み情報が交感神経経由で末梢に拡大する現象も報告されています。しびれに関しても腰椎手術後疼痛症候群の両下肢の強いしびれに深腓骨神経ブロックを施行すると数か月しびれがほとんどなくなった症例を私は経験しています。以上から慢性痛における末梢神経のpath wayの確認や今後の神経ブロックの可能性について皆さんと考察、情報共有したいと思います。近年の IT 関連システムでさまざまなネットワーク障害が生じております。生体の神経情報も活動電位による電気活動ですから同じようなソフトエラーが中枢、末梢レベルでもあると私は思っております。システムエラーを診断、治療するのがシステムエンジニアであるように痛みの回路異常を診断、治療するのはペインクリニシャンと私は思っております。

活発な討論、議論をする雰囲気を作りますのでおおいに議論いたしましょう。

ご挨拶(第1報)

このたび2025年7月10、11,12日の3日にわたりTAKANAWA GATEWAY Convention Centerにて「日本ペインクリニック学会 第59回学術集会」を開催させていただくこととなりました、NTT東日本関東病院ペインクリニック科安部洋一郎でございます。

テーマは「未来に繋ぐ知識、知恵、技術」とし、還暦目前で今までの知識、知恵、技術の総点検を行い、次の世代に繋ぎたいという意図を込めました。TAKANAWA GATEWAY Convention Centerはご存じのようにJR東日本が品川~田町間の大規模再開発を行い、2025年3月に開業予定の高輪ゲートウエイシティの中にあります。医学会での当施設の使用は本学術集会が初めてとなります。

150年前近代日本の象徴となる蒸気機関車が新橋横浜間に運行した際の海上線路上に位置し、2027年度にはその遺構が現地公開される予定です。歴史的意義のある地で、様々なイノベーションの試みがまちのコンセプトとなっております。このような歴史的土地で本学術集会を開催することは喜びであり、必ず成功させるべく身の引き締まる思いです。

多数の先生方のご参加を心よりお待ちいたしております。