会長挨拶

第51回日本マイクロサージャリー学会学術集会

会長 村田 景一

市立奈良病院 四肢外傷センター センター長

村田 景一

この度、第51回日本マイクロサージャリー学会学術集会を2024年11月28日(木)―29日(金)に奈良春日野国際フォーラム 甍〜I・RA・KA〜にて開催いたします。伝統のある本学術集会を主宰する栄誉を賜り、会員の皆様に謹んで御礼申し上げます。

本学術集会を奈良で主催するのは、第1回日本マイクロサージャリー研究会(1974年) の玉井進先生、第33回(2006年)の矢島弘嗣先生に次いで3回目となります。私は奈良県立医科大学整形外科教室に入局して以来、当時から多くの再建手術を施行され、その成果を国内・海外の学会や論文として次々と発表されておられた諸先輩方に憧れ、研鑽を積んでまいりました。そして今回、本学術集会を主宰する事は、ひとえにご指導を頂いた諸先輩方のおかげと深謝いたします。

今回の学術集会のテーマは「阿吽」といたしました。「阿吽の呼吸」とは相互に理解しあい、息を合わせて行動することを意味します。これをマイクロサージャリーに当てはめますと、まず、本学会が主に整形外科と形成外科の医師で構成されていることがあります。次に再建手術において、機能とともに整容(見た目の美しさ)が非常に重要であること、またマイクロサージャリー手術は非常に繊細な技術が必要で、術者と助手の息のあった連携が必須であること、さらに近年の新技術の開発による医療の進化が目覚ましい一方、それらの技術を習得する際にはコツや落とし穴も多くあり、先輩から後輩(師匠から弟子)への技術の伝承が重要であることなどが挙げられます。このように、マイクロサージャリーにおいては2者の息のあったコラボレーション「阿吽の呼吸」が非常に重要であることがわかります。そしてポスター背景には奈良を代表する東大寺南大門の運慶・快慶作:金剛力士像を選びました。左に阿形像、右に吽形像が向かい合う形で安置された金剛力士像は本学会の主旨にマッチすると思いました。今回の学術集会では、多くの知識や技術を学んでいただくだけでなく、マイクロサージャリーにおける「阿吽の呼吸」を理解、習得していただけるような場にしたいと思っております。

また、今回は応募演題の中から最も優秀な発表に対して最優秀演題賞(玉井進賞)を選出する予定です。多くのすばらしい演題のご登録を期待しております。

さらに例年は顕微鏡を用いた実習としてマイクロサージャリー技術講習会、あるいはスーパーマイクロサージャリー血管吻合コンテストが実施されてきましたが、今回は若手マイクロサージャンの技術向上を重視して、両企画とも実施させていただく予定です。コンテンストは学会期間中に、技術講習会は学会翌日の11月30日(土)に開催予定です。若手の皆様、奮ってご参加の程よろしくお願いいたします。

本学術集会は感染予防の徹底の遵守により現地開催とさせていただく予定です。参加された皆様にとって有意義で楽しい学会となるようプログラムや企画の準備を進めております。また、晩秋の奈良は観光の‘みどころ’も多く、日本酒発祥の地とされ、銘酒にも恵まれておりますので、学会前後は観光なども楽しんでいただければと思います。

多くの会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。何卒よろしくお願いいたします。

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