ご挨拶
第72回日本栄養改善学会学術総会
会長 石見 佳子
東京農業大学総合研究所 参与・客員教授
この度、第72回日本栄養改善学会学術総会の会長を拝命し、2025年9月12日(金)~14日(日)の3日間の日程で、東京農業大学世田谷キャンパスにて学術総会を開催する運びとなりました。今回の学術総会は、日本栄養改善学会、関東・甲信越支部会(1都9県)の担当になります。対面での開催は、第65回新潟大会以来となります。
今回の学術総会のテーマは、「健康寿命の延伸を目指して~実践栄養学のエビデンス構築と展開~」といたしました。健康寿命は、「健康上の問題で日常生活に問題なく生活できる期間」とされており、2019年の我が国においては、男性72歳、女性75歳であり、世界で上位を誇っています。一方、平均寿命と健康寿命の差は日常生活に制限のある期間となり、9~12年もの間、何かしら不自由な生活を過ごすことになります。そこで国の健康施策「健康日本21(第三次)」では、国民の健康増進に関する基本方針として、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」の実現を目指しています。
健康寿命の延伸のための取組として、栄養・食生活、身体活動・運動、睡眠、生活習慣病の予防、社会環境の質の向上等が挙げられますが、特に、栄養・食生活に関しては、現在「食環境づくり」に関する取組が国をあげて実施されており、減塩、ヘルシーメニューの提供、フレイル予防等の方策が検討されています。本学術総会では、健康寿命の延伸に関する栄養・食生活の管理と実践、研究並びに産官学の取組等を中心に、種々の方策とその実践のエビデンスを集約、構築し、これらをさらに展開していくことを目指します。
開催形式は現地参加を基本として、教育講演、シンポジウムなどはオンデマンドでの発信も計画しています。皆様のご参加と幅広い演題発表を、心よりお待ちしています。