大会長挨拶
津田 英一(弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座・教授)
このたび第80回日本体力医学会大会を2026年9月25日(金)~27日(日)の3日間、弘前市にて開催させていただくこととなりました。本学会大会を青森県で担当させていただくのは、あすなろ国体が開催されました1977年の第32回大会(臼谷三郎大会長)以来でございます。伝統ある本学会大会を担当させていただきますことを大変光栄に存じます。
第80回大会では、「Fun to Play Sportsをささえるサイエンス」をテーマとして掲げさせていただきました。スポーツの語源はラテン語の「deportare」に由来し、それは「別の場所に運ぶ、移す、転換する」という意味の言葉でした。そこから「気分を転じる、楽しませる、遊ぶ」を意味するフランス語の「deportare」を経て、英語の「sport」になったとされています。つまりスポーツにはそもそも「楽しさ」や「喜び」の要素が含まれており、それ故に、これほどまでに長くの間人々に愛され親しまれ続けてきたのだと思います。では、どの様な時にスポーツの「楽しさ」や「喜び」を感じることができるのでしょうか。それはスポーツに参加する個々人の目標や目的によって千差萬別です。多くの競技者にとって、試合での勝利や記録の更新は「楽しさ」、「喜び」に直結し、そのためには競技力向上、コンディショニング、スポーツ障害・外傷対策が欠かせません。一方でスポーツ愛好家は、自己目標の達成や新しい技術の獲得、チームメイトとの一体感などを「楽しさ」、「喜び」と感じるかもしれません。健康維持が目的でスポーツを実践してている人にとっては、体力増進の実感、健康指標の改善、体を動かすことによる爽快感などで「楽しさ」、「喜び」と感じることでしょう。近年のスポーツを取り巻く環境は、社会構造や価値観の変容、科学技術の進展、健康問題や環境問題への対応により大きく変化しています。その様な中にあって、本学会大会で示された研究成果や科学的知見は、その活用によってスポーツ活動を医科学の側面からサポートし、多種多様な形でスポーツに参加する人々の「Fun to Play Sports」に直接的および間接的に貢献するもの考えております。
大会プログラムの企画・編成にあたっては、学会本部のプログラム委員会、学術委員会と連携を取り準備を進めています。また東北地方会の幹事の先生方には組織委員会内のプログラム委員にご就任いただき、全面的にご協力いただいております。本部企画のセッションでは、本学会のメインストリートである分野・領域における研究成果を踏まえ今後の方向性をお示しいただき、学会企画のセッションでは東北地方の特色を生かした研究活動をご紹介できればと考えております。ご参加いただく皆様にとって有益な情報を提供し課題解決への議論が深まるよう、充実した内容のプログラムを目指してまいります。
開催地の弘前市は豊かな自然と伝統的な文化を持つ地域です。会期である9月下旬は、名産のリンゴも早生種や中生種とよばれる幾つかの品種が食べごろを迎える時期です。学術集会の合間には、ぜひこの地の魅力を感じていただければと思います。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
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