会長挨拶

会長:岩田 広治 写真
第21回日本臨床腫瘍学会学術集会 (JSMO2024)
会長岩田 広治
(愛知県がんセンター 副院長 兼 乳腺科部長)

第21回日本臨床腫瘍学会学術集会長を拝命いたしました愛知県がんセンターの岩田広治です。本学術集会を、2024年2月22(木)~24日(土)に愛知県名古屋市の名古屋国際会議場にて主に現地(一部ハイブリッド形式)で開催いたします。

日本臨床腫瘍学会 (JSMO)は2004年に産声を上げてから前回20年記念大会を経て、人間で例えれば責任ある大人になって、初めての大会となります。名古屋での開催は2009年に第7回大会を、当時名古屋大学の直江知樹先生が主催して以来15年ぶりの開催になります。JSMOは薬物療法に関する臓器横断的学会であり内科系医師を主体に運営されています。外科専門医を持っている私は異色の存在と言えるかもしれません。乳癌専門医として主に薬物療法の開発をメインに仕事をして、JSMOには前身の日本臨床腫瘍研究会の頃から会員として参加をしてきました。JSMO理事就任後は学術企画委員会の一人として、現在の学術集会の体制骨格を決める作業に関わることができ、専門の細分化が進むJSMOの中で、各部会メンバーのご尽力によって、私のようなものでも大会長を務めることができることになりました。

近年は各臓器別あるいは臓器横断的に個別化医療が進み、治療手段も手術療法・放射線療法・薬物療法の他に免疫療法も大きなカテゴリに位置付けられます。今回の第21回大会のテーマは、Break the Borders and Beyond ~for our patients~としました。我々の研究の目的はすべてのがん患者さんが、素晴らしい人生を送る手助けをすることと認識しています。多くの仲間が基礎研究・臨床研究を通じて患者さんと向きあっています。今回の学術集会では国・立場・専門分野・職種・治療手段等のあらゆる障壁をなくし、世界を一つにして皆で語り、議論をして、その先に続く未来を切り拓いていきたいという願いを込めました。その先にあるのは、がん患者さんと我々の明るい未来です。

一般演題では、是非新しい研究成果を発表していただき、世界中の多くの皆さんと情報共有をしていただきたいと思います。がんと共に生きる患者さんの為のアドボケートプログラムは例年通り充実したものにしたいと思っています。会長企画では各部会が扱わない臓器横断的プログラムや、今後の高齢化社会、日本全体のがん医療体制の枠組み、最先端医療、Real World Dataの活用など、今後避けて通れない話題を、行政、研究者、医療職、患者さんが一緒に考えるプログラムを計画しています。名古屋国際会議場は、建物が少し古くなってきましたが、最高のおもてなしで皆さんをお迎えしたいと思います。コロナ禍を脱却して(5類になってから)初めての学術集会として、多くの海外演者にも現地参加をしていただき、国際色豊かに、名古屋での3日間を過ごしていただきたいと思います。

皆様の温かいご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。