ご挨拶

第45回日本静脈学会総会
会長 東 信良
旭川医科大学 外科学講座 血管・呼吸・腫瘍病態外科学分野
この度、第45回日本静脈学会総会を2025年7月17日-18日の2日間の日程で、旭川市にて開催させていただく運びとなりました。
ガイドラインの発信や静脈疾患治療の標準化、適正化への尽力、コロナ禍における提言、診療報酬獲得、そして大災害における血栓予防活動など、特に近年、大いに躍進を続けてきた日本静脈学会の会長を務めさせていただくことを大変光栄に存じます。
加えて、どんどん進化する治療デバイス、さらに、静脈血栓除去デバイスや静脈用ステント導入を見据えて、今回の学会のテーマを“静脈学の新時代”とさせて頂きました。新たなデバイスが導入され、まさに静脈学診療の新たな扉が開かれようとしておりますので、最新の情報を皆で共有するとともに、そうした新規治療を学問する出発点になれば幸いです。
一方、デバイスが進歩しても静脈疾患の基本は圧迫療法であることに変わりはありません。私がかつて弾性ストッキングコンダクター委員として務めた委員会において圧迫療法のサイエンスやエビデンスに触れたときの衝撃は今も忘れません。学会として圧迫療法や静脈うっ滞性潰瘍治療の標準化に取り組んだ成果についても、ディスカッションできれば幸いです。
働き方改革の波が押し寄せ、「学会発表が減少するのではないか」「わが国の研究力がますます低下するのではないか」といった声が聞かれる昨今でありますが、そうした時こそ、情報交換、情報共有、研究者間の連携などを行う場としての学会の役割は重要になると思います。International sessionでは、clinical researchや珍しい症例は勿論、basic research部門を設けますので、新時代を切り拓くような研究成果を是非、ご応募いただけましたら幸いです。楽しい、そして、意義深い学会として、「この学会で成果を発表したい」と思われる学術集会になれるよう、プログラム委員の先生方や教室員とともに尽力してまいりたいと考えております。
是非、多くの皆様に旭川の最高の季節に集っていただき、自然を満喫しながら静脈学の新時代について語り合いましょう!
第45回学術集会を盛り上げていただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。