第21回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
大会長 水間 正澄
昭和大学医学部リハビリテーション医学講座 教授

第21回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会 開催にあたり
 この度、2015年(平成27年)9月11日(金)~12日(土)の2日間、国立京都国際会館・グランドプリンスホテル京都におきまして、第21回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会を開催させていただく運びとなりましたのでご挨拶を申し上げます。

 1984年(平成6年)に設立された本学会は本年20周年を迎えましたが、現在に至るまで本学会に関わってこられた先生方のご尽力によりわが国における摂食嚥下リハビリテーションは発展を遂げてまいりました。そして、リハビリテーション医学・医療においても重要な領域の一つとして位置づけられるようになってまいりました。

 ご存知のとおり、リハビリテーション医療の対象は小児から高齢者までのあらゆる年齢層に及び、様々な疾患や外傷を原因とした多種多様な障害を対象としております。医療技術が進歩する中で、生命予後の延伸や重度障害者の増加もみられますが、障害に対する評価や治療にも新たな手段が開発され、最新のテクノロジーを駆使した障害への新たな取り組みもなされています。一方、リハビリテーション医療の場は急性期、回復期、生活期に分けられるようになり、介護・福祉・教育など多くの分野との連携・協業も求められるようになりました。社会保障制度の改革は超高齢社会の到来を背景に医療の機能分化をさらに促進し、リハビリテーションにおいては急性期医療における早期リハビリテーションの充実と早期在宅復帰、それに続く地域での生活期リハビリテーションの重要性とかかりつけ医の役割が強調されており、地域においても質の高い対応が求められてくるでしょう。また、高齢社会を迎えて団塊世代が75歳以上となる2025年に向けては「地域包括ケアシステム」の準備も進められつつあります。高齢社会は障害者の高齢化も意味しており障害児者に対しても長期的に対応してゆく視点も必要となっております。さらには、近年では大規模災害時におけるリハビリテーションの役割も注目されるなどリハビリテーションのニーズはますます広がりを見せております。第21回学術大会を開催するにあたり、摂食嚥下のリハビリテーションを担っているすべての方々が、このようなニーズを認識しそれらに応えるべくより積極的に取り組んで行かれることを期して学術大会のテーマを『広がりゆくリハビリテーションニーズの中で摂食嚥下を考える』とさせていただきました。

 本学術大会は摂食嚥下のリハビリテーションに携わる多くの職種の方々が一堂に会し、日頃の臨床・研究ならびに教育の成果を発表するとともに、摂食嚥下リハビリテーションに関する最新の知識と情報を交換する場であります。講演、シンポジウム・パネルディスカッションでは様々なリハビリテーションニーズに関するテーマを中心に企画・準備を進めております。また、ハンズオンセミナー、ポストコングレスセミナーなども予定しております。ぜひ、多くの方々が参加し日ごろの成果を発表いただくとともに、活発なディスカッションをしていただき実り多い学術大会にしていただければと考えております。

 皆様のご参加を、心よりお待ちいたしております。




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