第45回日本高血圧学会総会

ごあいさつ

第45回日本高血圧学会総会
会長 楽木 宏実
(労働者健康安全機構 大阪労災病院 院長 / 大阪大学 名誉教授)

会長 楽木 宏実

第45回日本高血圧学会総会を担当させていただきます楽木宏実です。伝統ある日本高血圧学会の総会会長を拝命いたしますことは大変栄誉なことであり、ご参加いただく皆様に良かった楽しかったという記憶に残る学会にしたいと思っています。会期は2023年9月15日(金)~17日(日)で、その時期のコロナの感染状況をはじめ不安要素はありますが、現地開催を基本とする方針で準備を進めております。会場は大阪中之島にある大阪国際会議場 (グランキューブ大阪)です。大阪での開催は、第4回 池田正男先生(国循)、第8回 山本研二郎先生(大阪市大)、第13回 武田忠直先生(大阪市大)、第24回 荻原俊男先生(大阪大)、第36回 河野雄平先生(国循)に次いで6回目となります。皆様には久しぶりの大阪をご堪能いただければありがたく存じます。

さて、私の前後の世代は、高血圧学会と聞けば、敷居の高い発表も怖い学会という印象が強いのではないかと思います。施設ごとに2名までしか口述発表が認められず、1会場にすべての参加者が集まり、発表時間と同じくらいの質疑の時間があって発表が終わるやマイクの前に多くの質問者が立たれて次々と切り返すのも難しい質問が飛んでくるといった学会でした。私の初めての発表は留学直前でしたが、以来この学会に育てていただいたという思いが強いです。演題の採択率は2~3割程度だったように記憶しています。今回は、一部ではありますが、毎日午前中はメイン会場を中心に一般演題をしっかり議論いただく形にして、昔の雰囲気を少しでも取り戻したいと思います。決して昔を懐かしむのではなく、高血圧という学問の幅が広がった今だからこそ、参加者の皆様に自分の研究分野を超えて議論していただきたいからです。シンポジウムでも最先端の話が聞けますが、研究手法を含めて突っ込んだ話をすることはありません。一般演題から学ぶことは話す方も聞く方もたくさんあります。質問者の質問を聞いて学ぶことも多いです。学会が参加者にとって発表の場であると同時に学びの場であってほしい、そのためにも自分の研究に直結するような生の話をしてほしいと願っています。この時間帯の演題は、単に高得点だけでなくできるだけ分野を幅広く研究施設も多様性をもってご発表いただこうと思っています。是非とも多くの演題をご応募くださいますようにお願いいたします。

もちろん、特別講演、理事長講演のほか、多彩なシンポジウムも企画されています。特別講演は遺伝統計学をご専門とされている岡田随象ゆきのり先生(大阪大学/東京大学)にお願いしております。高血圧分野にとどまらず遺伝統計学分野全般の発展をお話しいただけるものと思います。その昔、分子生物学の登場で研究スタイルが一変した時代がありました。まさに今はバイオインフォマティクスやAIに代表される情報を制する者が研究を制する時代に変わりつつあります。その世界の最先端をお聞きいただくことで高血圧学の未来をそれぞれのお立場で思い描いていただきたいと願っています。海外演者として、私の教室と関係の深いTheodore W Kurtz先生(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)にお越しいただくことも決まっています。高血圧発症機序について熱い議論ができるものと期待しています。シンポジウム企画は、柴田洋孝先生(大分大学)を委員長とする学会プログラム委員会にお世話になり多数のご提案をいただきました。高血圧みらい医療計画についても10年計画の折り返しでもありますので企画を入れます。盛りだくさんの企画になりますが、2022年の京都での国際高血圧学会の熱気を残したまま2023年の学会につなげていきたいと思います。

学会翌日の18日は敬老の日で祝日ですので、是非とも学会後の大阪も十分に楽しんでください。2022年の京都とは別の意味で楽しみどころ満載です。事務局長の山本浩一先生はじめ教室員並びに大阪大学の関係教室の皆様の力を借りて盛会になるように努めてまいります。多くの皆様に大阪にご参集いただけることを願っております。

2022年11月吉日

ページトップ