第45回日本高血圧学会総会

Newsletters

Vol. 01(2023.08.22)

高血圧学会会員の皆様

皆様こんにちは。第45回日本高血圧学会総会事務局からのご案内です。9/15から開催される本総会がいよいよ1か月に迫ってまいりました。皆様に大阪での学会を楽しんでいただけますよう、鋭意、最後の準備を進めております。さて、今回から4回にわたって講演やシンポジウムの見どころの案内をさせていただきます。第1回目は楽木大会長自ら、講演の見どころを紹介いたします。

尚、参加登録は8/31までにしていただくとお得になりますので是非早めにご登録ください!!

https://www.congre.co.jp/45jsh2023/registration/index.html

理事長講演「日本高血圧学会みらい医療計画の達成に向けて」

野出 孝一(佐賀大学医学部内科学/日本高血圧学会)

【会長より:高血圧学会の「みらい」は私たちの未来だ!】

日本高血圧学会の活動は、学術集会での研究面での切磋琢磨と団結力による精緻なガイドライン作りというイメージがあると思います。降圧薬の開発が盛んだったころ臨床面から高血圧に興味を持った学会員も多かったと思います。そのような時期を経て高血圧学会は、研究や活動の社会性を強く意識した団体に発展してきました。野出孝一理事長が理事会で提示される議題も、新しい高血圧研究領域の拡大、その社会実装に関するものが目白押しです。2018年に発表された学会の「みらい医療計画」の起草者である野出理事長の講演をお聞きいただき、学会の「みらい」を思い、ご自身の研究や診療を振り返ってみていただければと思います。

会長講演「高血圧制圧による幸福長寿を目指して」

樂木 宏実(大阪労災病院/大阪大学)

【会長より:どこから始まりどこへ行こうとしているのか・・・・・・。】

私の高血圧研究の源流は学生時代の高知県の山村におけるフィールド活動に始まります。90歳の住民を前にして高血圧を治療すべきかどうか、介入研究の成果もなかった頃、思い込みで色々な活動をしていました。研修時代は、心筋梗塞の原因が粥腫性動脈硬化であると知り興奮を覚えるとともに、救命できない患者さんの姿に打ちのめされる日々でした。それを胸に秘めて高血圧性臓器障害の発症機序・発症予測可能性・発症予防法・効率的治療すべてを知りたくて研究を続けてきました。様々な健康状態の中で幸せと感じる時を医療がもたらすことができるのかも、私にとって永遠の課題です。講演では、私の思いを発展させてくれている教室の研究成果を振り返り高血圧研究と幸福長寿についてお話いたします。

特別講演1「遺伝統計学と病態解明・ゲノム創薬・個別化医療」

岡田 随象(東京大学遺伝情報学/大阪大学遺伝統計学/理化学研究所システム遺伝学チーム)

【会長より:恐るべし遺伝統計学!学ぼう新時代!】

演者の岡田教授は大阪大学の教授時代の縁で講演をお願いしました。私が留学から大阪大学に戻ったころ教室では勝谷友宏先生を中心に高血圧の成因遺伝子研究が開始されていました。当時彼は、遺伝子解析はできてもその後の統計学的解析の進歩が必要で、天才の出現を待っていると話していました。将に岡田随象先生こそがその天才に違いないと思ってお招きしました。ゲノムに限らずオミクス解析も含めてビッグデータが得られている状況での解析手法の開発の方向性は皆さんが知りたい最先端と思います。高血圧の分野に限らず、遺伝統計学が様々な手法で切り開く未来図のお話を堪能してください。

特別講演2「塩味の起源と分子細胞メカニズム」

樽野 陽幸(京都府立医科大学大学院医学研究科細胞生理学)

【会長より:知ってるようで何も知らなかった「塩」のこと。これが学問だ!】

食塩と高血圧の関係は誰もが知るところです。では、なぜ人は塩味を美味しいと感じるのでしょう。食塩過剰摂取が高血圧を発症する機序に興味がある臨床家も少ないかもしれません。私自身、昨年のソルコンフェスティバルで樽野先生のお話を拝聴し、「人はなぜ塩を好み、なぜ塩が血圧と関係するのか」について私たち高血圧研究者は真正面から向き合わなければいけないと再認識しました。塩味の分子メカニズムも面白さ満載ですが、塩味の進化論や未来の減塩技術につながるお話など夢のあるお話も伺えます。高血圧学会に参加しようと思われる方にとって必聴です。

Vol. 02(2023.08.28)

高血圧学会会員の皆様

皆様こんにちは。第45回日本高血圧学会総会事務局からのご案内第2弾です!
暑い8月が終わりいよいよ総会の9月が間もなくです。計4回にわたって配信するNews letter、第2回目はシンポジウム1-8の見どころを紹介いたします。

参加登録がお得なのは8/31までです!!是非早めにご登録ください!!

https://www.congre.co.jp/45jsh2023/registration/index.html

シンポジウム1
「脳血管障害発症・再発予防を目指した血圧管理の要点ーサロゲートマーカーの活用を含めてー」

脳卒中予防と血圧管理について、血圧変動性評価の重要性から始まり、脳出血と脳梗塞の降圧管理、MRIを活用した精緻な診断法まで、健康寿命延伸に向けた貴重な知見をお見逃しなく。

シンポジウム2
血圧と妊娠 ~プレコンセプションケアから産後血圧管理まで~

シンポジウム2では、妊娠中の高血圧管理の重要性に焦点を当てます。妊娠高血圧症候群の予後や母子の健康への影響だけでなく、妊娠前の血圧コントロールの効果についても論じます。科学的なエビデンスをもとに、妊娠前からのケアが将来の母子の健康にどのように影響するかを解説。健康な妊娠を支える情報がここに。

シンポジウム3
「「みらい医療計画」10年間の折り返しに立って:2028年までに700万人高血圧者は減っているか」

2028年までの10年間で、700万人の高血圧患者数の減少を目指すみらい医療計画の達成状況や展望を探ります。現在の高血圧対策の課題や推計データを基に、生活習慣改善、医師受診率向上、治療スキルの向上による目標達成の試算が行われています。日本の高血圧の将来動向に関する予測モデルの開発や、ヘルスケア政策の展望も取り上げます。

シンポジウム4
高血圧診療関連検査はいつ誰に行うか:最先端とガイドライン

高血圧診療において重要である各種検査、(1)睡眠時無呼吸合併高血圧患者に対する睡眠検査、(2)高血圧による臓器障害を評価するための、FMDやPWVなどの血管機能検査、(3)動脈硬化の重症度評価や高血圧の原因検索を行う上で重要な検査である、頸動脈・血管(腹部大動脈など)の超音波検査、(4)左室肥大や左房拡大の評価等に重要な心臓超音波検査、(5)高血圧性臓器障害の重要な標的臓器である腎臓を評価する腎機能検査(eGFR)、尿定性検査、尿蛋白(アルブミン尿)定量検査などをいつ、どのような患者を対象に実施すべきか、そしてその結果をどのように解釈して診療に役立てていくべきかについて、ガイドラインから最先端の知見まで各ご専門の先生方に解説いただきます。

シンポジウム5
食行動の変容による高血圧対策:厚労省・経産省大規模実証事業

厚労省・経産省による予防・健康づくりに関する大規模実証事業において、令和2年度~4年度まで「食行動の変容に向けた尿検査及び食環境整備に係る実証事業」が実施されました。この事業は日本高血圧学会が中心となり、減塩・カリウム摂取増加のための保健指導および食環境整備の手法を開発、地域・職域の大規模集団において実践することで、国民の食行動変容効果を実証しようとするものです。本シンポジウムではこの大規模実証事業のねらいや、大規模実証のデザインや介入方法、地域・職域における食環境整備の手法とそのプロセス評価についてのご報告、本事業参加者に対する介入効果の評価方法、食行動変容を促す介入のランダム化比較試験の結果や、大規模実証事業の結果と考察を踏まえた政策提言や今後解決すべき課題などについて、各ご専門の先生方に解説いただきます。

シンポジウム6
Onco-Hypertensionアップデート

癌と血圧は両者の病態において密接な相互関係があることが推測されており、最近Onco-Hypertension(腫瘍高血圧学)という新しい学術領域が提唱されています。本シンポジウムでは、Onco-Hypertensionの見地から見たがん・循環器・腎臓のクロストークや、「がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022」の内容のご紹介、本邦リアルワールドデータを用いて行われた「高血圧とがん」に着目した臨床疫学研究の結果、がん患者における血圧管理、Onco- Hypertensionの最新状況などについて解説いただき、Onco-Hypertensionの領域で今後明らかにしていくべき点について議論いただきたいと思います。

シンポジウム7
心腎連関を意識した高血圧の包括的治療戦略
「高血圧の三角関係:心腎の恋を操る脳の思惑とは!」

ARNIやSGLT2阻害薬の登場により、高血圧や心血管病・腎臓病を取り巻く治療環境は大きく様変わりしました。高血圧の病態や高血圧合併症の共通基盤である「心腎連関」に重要な役割を担うレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)やナトリウム利尿ペプチド、そして心腎での循環制御に関わる脳内RAASや交感神経系の話題も加えて、個別の臓器やホルモン作用の枠組みを超えた臓器横断的な高血圧治療戦略を考え直してみましょう。

シンポジウム8
高血圧基礎研究の最先端と未来
「まだまだ知らない高血圧の成因と病態を基礎研究から探る」

高血圧の基礎研究は、約60年前のDahl食塩感受性ラットや高血圧自然発症ラットの開発に遡ります。個々の臓器や神経内分泌作用に焦点をあて、食塩感受性やレニン・アンジオテンシン系、交感神経系の亢進など多くの高血圧の成因と病態が解明されました。高血圧発症動物モデルを用いた古典的研究手法における最新の話題から、臓器や組織からさらに掘り下げ最新の研究手法を用いた細胞レベルでの機能解析、細胞間の空間的相互作用の解析にも着目してみます。

Vol. 03(2023.09.05)

高血圧学会会員の皆様

皆様こんにちは。第45回日本高血圧学会総会事務局からのご案内第3弾です!
第45回日本高血圧学会総会事務局からのご案内、第3弾をお届けいたします。いよいよ総会まであと1週間弱となりました。皆様に楽しんでいただける学会となるよう、最後の準備を進めております。計4回にわたって配信するNews letter、第3回目はシンポジウム9-16の見どころを紹介いたします。

参加登録まだの方は下記から是非登録ください!!

https://www.congre.co.jp/45jsh2023/registration/index.html

シンポジウム9
臓器保護を考慮した運動療法
「降圧を超えて期待される運動による臓器保護効果とは!」

生活習慣の修正は高血圧非薬物治療の基本です。運動療法は、それ自体による降圧効果が期待できるだけでなく、高血圧予防の観点からも重要です。しかし、臓器保護効果についてはJSH2019ガイドラインでも言及がありません。まだまだこれからのエビデンス構築が望まれる高血圧診療における運動療法についての最新の話題です。Beyond JSH2019!運動療法は血圧管理を超えた臓器保護効果があるのか。脳、心、腎、血管保護の立場で講演いただきます。必見です!

シンポジウム10
フレイル・ロコモ克服に向けた高血圧制圧
「高血圧治療の観点から見たフレイル・ロコモ対策」

健康寿命の延伸は現代医学における最重要課題の一つであり、それはいかに介護を要する期間を減らすか、と言い換えることもできます。介護が必要となる主な原因にフレイルとロコモティブシンドローム(ロコモ)があり、両者を一括して克服のための取り組みを行い、また社会に広く啓発することが2022年4月に日本医学会連合と日本高血圧学会を含む80学会・団体から宣言されました(フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言)。
本セッションでは、まずはフレイル・ロコモの概念や診断につき改めて確認するとともに、「フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言」の目的や経緯について振り返ります。さらにはフレイル・ロコモと高血圧、運動・肥満、multimorbidityとの関連についても、非常に興味深い最新の研究も交えてお話いただきます。

シンポジウム11
二次性高血圧Update
「二次性高血圧Update」

二次性高血圧は高血圧の約10%を占め、血圧をコントロールだけではなくその背景にある病態の治療が重要となります。二次性高血圧の中で最も頻度の多い原発性アルドステロン症(PA)には治療薬として選択可能なミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)が複数あります。非ステロイド骨格を持つ新しいMRAであるエサキセレノンは2型糖尿病患者の尿中アルブミンを減少させたとの報告があり、PAでの検討が望まれています。またアルドステロン合成阻害酵素であるBaxdrostatはPAの新しい治療薬の候補として期待されており、これらのトピックスにつき御紹介いただきます。その他、クッシング症候群において現在可能な薬物療法の詳細、褐色細胞腫・パラガングリオーマ(PPGL)の最新治療法、睡眠時無呼吸合併高血圧の疫学、診断、治療に関する最新の知見につきお話いただきます。

シンポジウム12
Digital Hypertensionとヘルスケア:デジタルを活かすために
「Digital Hypertensionが広げる日本の医療」

Digital Hypertensionとは、日本高血圧学会が推進するデジタル技術を用いた新しい学術研究領域を指し、具体的にはウェアラブル血圧計の開発、新規指標創出のためのデジタルデータ集積と解析、人工知能を活用した高血圧診断ならびに個人の血圧変動予測なども含まれます。高血圧治療アプリは2022年に世界で初めて規制当局の承認を取得して日本で保険適応となった画期的な試みであり、高血圧治療の質の向上が期待されます。本セッションではさらに詳細に、高血圧治療アプリが特にどのような患者に対して降圧効果を発揮しうるのか、現在実施されているデジタル技術に関するシステマティックレビューの紹介、今後デジタル医療を地域に根差したものへと展開していく戦略、generative AIが高血圧診療に与えうる影響などについて解説いただきます。

シンポジウム13
J-DOMEが開く高血圧診療の未来
「J-DOMEが開く高血圧診療の未来」

わが国の高血圧患者は増加の一途をたどり、その診療を担う数多くの非専門医のかかりつけ医の支援が求められています。日本医師会では、2018年からJ-DOME(かかりつけ医診療データベース研究事業)を開始し、2020年からは日本高血圧学会の協力を得て、多くの高血圧症例を収集してきました。J-DOME研究事業の目的は、診療所や中小病院のかかりつけ医による生活習慣病の診療の実態把握、症例研究の実施、そして臨床現場への情報のフィードバックによる診療の均てん化です。これまでに蓄積された約23000症例のデータから明らかになった、日本の高血圧診療の特徴や今後の課題につき御紹介いただきます。また、高血圧専門医と非専門医の間での降圧薬の選択の違いや、糖尿病専門医から見たJ-DOMEの意義、CKDの有無による高血圧治療成績の違いなど、様々な観点から得られた知見についても御報告いただきます。

シンポジウム14
「高血圧の成因を再考する~温故知新の高血圧~」

高血圧、特に本態性高血圧は多因子疾患であり、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の活性化や、生活習慣としての食塩の過剰摂取、運動不足、肥満がその成因となっていることが広く知られています。本シンポジウムでは、半ば当然のように受け取られているこれらの成因に対して、全く新しい視点から再考を促すものです。高血圧に対して、これまでに知られていなかった成因の可能性を探ることにより、高血圧の発症予防や新たな降圧療法の創出につながることが考えられます。

シンポジウム15
「血圧変動性を再度考える」

測定機会ごとの血圧値の変動が、心血管疾患の発症や増悪のリスクになることは、確立されたエビデンスです。本シンポジウムではそこからさらに踏み込んで、最新のデータにもとづいた考察がなされます。特に最近は、従来の上腕カフによる血圧計よりも、より非侵襲的に、連続的に測定が可能な血圧計の研究開発が進んでいます。このようなデバイスを用いることにより、より精細な血圧変動の測定が可能になり、新しい指標が提唱されることも予想されます。大変楽しみな分野です。

シンポジウム16
「高血圧治療ガイドライン2025に向けて皆で考えてみよう!」

前回の高血圧治療ガイドライン(JSH2019)は、2019年に作成されました。次回の高血圧治療ガイドラインは2025年版になります。前回のガイドライン作成以降、降圧治療のエビデンスが積み重ねられたのみならず、新たな降圧薬の登場があり、新たなアプリやデバイスの出現があり、リスク指標の考え方も進み、さらにはガイドラインの作成方法、記述方法も変化しつつあります。本シンポジウムでは、ガイドライン作成の方向性を知ることができます。さらには、ガイドライン作成の裏側を知ることもできるかもしれません。

Vol. 04(2023.09.12)

高血圧学会会員の皆様

皆様こんにちは。第45回日本高血圧学会総会事務局からのご案内第4弾です!
第45回日本高血圧学会総会事務局からのご案内、最終第4弾をお届けいたします。いよいよ総会直前です。対面での高血圧学会を皆様に楽しんでいただけるか、大きな期待と少しの不安..を胸にお待ちしております。
最後のNews letterはスポンサードシンポジウム、委員会企画、海外セッションの見どころを紹介いたします。尚、これまでのNews letterも総会のWebsiteに掲載しておりますので、お見逃しの方は是非ご覧ください。

https://www.congre.co.jp/45jsh2023/newsletters/index.html

また参加登録まだの方は下記から是非登録ください!!

https://www.congre.co.jp/45jsh2023/registration/index.html

では皆様にお会いできることを楽しみにしております!

スポンサードシンポジウム1
「降圧薬としてのMRBをリアルワールドデータから考える」

エサキセレノンは、2019年に上市された新規のミネラルコルチコイド受容体ブロッカー(MRB)です。エサキセレノンは、従来のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)とは異なり、ステロイド骨格を持たず、ミネラルコルチコイド受容体に対する高い選択性と阻害作用を有するという特徴があります。本シンポジウムでは、エサキセレノンを用いたリアルワールドの臨床研究の結果から、MRBの多面的作用や臨床的意義が報告されます。高血圧治療において、MRBが重要なポイントを担う可能性が、議論されるでしょう。

スポンサードシンポジウム2
「Pathophysiology of Hypertension」

多因子疾患の高血圧の成因にはまだまだ未知の部分が多く、古くて新しい研究領域です。食塩感受性高血圧の成因としてGuyton博士の圧利尿曲線はあまりにも有名ですが、今回お招きしたTheodore W. Kurtz先生はGuyton理論の矛盾点を見出され、血管機能不全に着目した新しい理論を提唱されています。また香川大学の西山成先生は、高血圧の成因である塩分(ナトリウムイオン)の蓄積が、従来考えられてきたよりも幅広い臓器で生じていることに着目した研究を行われています。高血圧研究の第一人者である両先生の最新のお話に触れ、高血圧研究の奥深さを味わってください!

Hypertension Research 2023 Update and Perspectives
「一目瞭然、高血圧研究・最新情報 2023!」

本企画では、日本高血圧学会の学会誌Hypertension Researchの最近の論文を中心にトピックごとの研究サマリーをコメンテーターの先生とのやり取りも含め次々に紹介いただきます。臨床研究と基礎研究の最新の話題を耳にして、明日の研究や臨床に活かすことのできる大変お得な企画ですので是非会場にお越しください!

HRU-45 Cafe

HRU-45って何?って思われた方もおられると思いますが、本企画はHypertension research編集委員会とUnder45(U45)委員会の奇跡のコラボ(!)です。研究に関する様々な疑問(研究の進め方、留学情報、研究助成金、キャリアパス他)や、Hypertension researchなどへの論文投稿に関する疑問点などを解消する発表や悩み相談が開催されます。HRU=How Are You?から命名されたこのCafe、お菓子とコーヒー楽しみながら気軽に参加できます。百聞は一見に如かずで、是非ポスター会場横のCafeにお越しください!!

Keynote Lecture
Definition, Validation, and Replication of an Outcome-Driven Threshold for Aortic Pulse Wave Velocity
Jan A. Staessen(University of Leuven, Belgium)

本総会では高血圧の疫学研究の世界的権威であるベルギー・ルーヴェン大学名誉教授 (医学部)の Jan A. Staessen 先生をKeynote Lectureの演者としてお招きしています。Staessen先生はNEJM等のトップジャーナルに筆頭著者あるいは責任著者として、多数の論文を発表し、高血圧やその他の心血管リスク要因の管理・治療に関する重要な知見を提唱することで、臨床高血圧学の発展に大きく貢献されてきました。また、日本人を含む多くの若手研究者の育成にもご尽力されています。今回は高血圧を含む危険因子に伴う心血管予後に大きく関連する大動脈脈波伝播速度(PWV)の予後規定因子としての詳細な疫学的解析についてご講演いただきます。高血圧学の世界最先端の疫学研究のお話を聞くことができるまたとない機会ですのでお見逃しなく!

International sponsored Symposium 1
Development of Renal Denervation in Asia

治療抵抗性高血圧に対する新規イノベーション治療で、循環調節システムを修飾する腎デナベーション(RDN)が注目されています。JSH2025にもRDNについての新たなCQが採択されることになる考えられます。本シンポジウムでは日本、台湾、中国におけるRDNのレジストリー研究の第一人者の先生方にアジア各国でのRDNのレジストリー研究の現状、安全性、有効性、位置づけなどについてご講演いただきます。RDNは治療抵抗性高血圧の最後の砦とすべきものか、それとも第一選択の治療または他の降圧治療との併用するものとしてハードルをさげるべき治療なのかアジアにおける最新の動向を知ることができるシンポジウムです。

International sponsored Symposium 2
Current status of out-of-office blood pressure monitoring in Asia

JSH2019では成人の本態性高血圧患者において、診察室血圧より家庭血圧を指標とした降圧治療を強く推奨しています。本シンポジウムでは、中国、韓国、マレーシア、台湾、そして日本における高血圧治療における診察室外血圧の考え方、位置づけ、広く臨床で用いるに際しての各国における問題点等について、各国の臨床高血圧学の第一者の先生方にご講演いただきます。また、診察室外血圧の記録に必須の家庭血圧計、現在、高血圧診療のトピックの一つでもあるデジタル技術(血圧管理アプリ、ウェラブル血圧モニタリング、AIなど)の各国の現状のお話も聞けるかもしれません。

International sponsored Symposium 3
Approach to the Appropriate Use of ARNI Considering Hypertension in Asian Individuals and the Characteristics of ARNI Adaptation in Asian Ethnicity

心不全に加え、高血圧に対しても保険適応となったARNIですが、わが国においてはエビデンスの集積とともに、効果や忍容性が認識されるに伴い、日常診療において徐々に普及しています。JSH2025においても新たな降圧薬として記載されると考えられますが、降圧薬として初期の段階から使用してよいのか、治療抵抗性の場合に限り使用すべきなのか、その位置づけは不明瞭です。本シンポジウムでは、日本、中国(日本に先立ちARNIが高血圧症に対し承認)及び台湾におけるアジア人に対するARNIの使用について、降圧薬としての位置づけやガイドラインの紹介、今後の展望について各国の高血圧診療の第一人者の先生方にご講演いただきます。

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