第45回日本高血圧学会総会

一般演題に関する企画のご案内

第45回日本高血圧学会総会の一般演題に関する企画のご案内
(大会長からのメッセージ)

第45回日本高血圧学会総会は、特別講演やシンポジウムだけでなく、一般演題の発表の場としての企画も色々と趣向を凝らしました。日本高血圧学会の従来の顕彰制度に加えて、研究の機運を高めるための試みです。参加者が自ら発表したいと思う学会、発表して良かったと思える学会を目指します。以下をご参照ください。

1. Plenary セッション

日本高血圧学会は、初期のころからかなり長期に1会場制にして一般演題と特別講演だけで学会を開催していました。1施設2演題までしか発表枠が許されず、発表すること自体がステータスであった時代で、発表者も聴衆も厳しい討論のやり取りを聞いて自分自身を磨いていました。シンポジウム企画の重要性もありますので、完全な1会場制での全員参加(Plenary)セッションとまではいきませんが、毎日8演題ずつ他の会場での演題発表をできるだけ減らして1会場に多くの聴衆が集まるセッションを設けます。抄録の高得点、施設バランスなども考慮して発表者を決定し、発表時間と討議時間も長めに取ります。幅広い研究領域での高血圧の最先端の研究成果に参加者全員が触れることを目指します。

2. シンポジウム演題の一部公募

一般演題について、より幅広い視点から議論いただく機会として一部のシンポジウムで一部の演題を一般公募します。締切は早く設定していますが、シンポジウムに採択されなかった場合でも一般演題と同様に査読審査を行います。若手の研究者の皆様も、シンポジウムという枠組みで発表するチャンスですので、是非トライしてください。

3. Late-breaking セッション

募集時期を遅らせて、より新規性の高い研究成果の発表の場を設けます。大規模臨床研究の発表といったイメージがありますが、疫学研究、基礎研究、臨床研究いずれの分野の研究でも受け付けます。新規性の高い演題をまとめたセッションということで注目度も高くなります。募集要項は4月下旬にご案内予定です。

4. 症例報告セッション

高血圧診療の最前線にいる方々の貴重な症例経験は、基礎・臨床を問わず新たな研究領域を提示してくれることもままあります。発表者だけでなく参加者が診療の実践を知ることで自らの実地診療のレベルを高めることにも有意義です。ISH2022を含む最近の学会で試みてこられた企画ですが、本総会でも踏襲いたします。

5. 学会発表からHypertension Research誌への論文発表につなげる

研究成果を一日でも早く学術論文として発表する機会を積極的に提供して研究者のモチベーションの向上を図ります。日本高血圧学会の英文機関誌であるHypertension Research(HR)誌編集委員会(苅尾七臣委員長)の全面的なバックアップを得て、本総会への応募演題について別枠での投稿受付と迅速な審査体制を組み、Fast TrackでのJSH2023特集号を組んでいただきます。詳細は本ページ「Hypertension Research誌のFast Trackについて」をご覧ください。

6. ダイバーシティを考慮した様々な顕彰 

女性研究者という視点に加え、基礎研究者、若手研修者、実地医家、メディカルスタッフ(準会員)など多様な視点からダイバーシティを考えます。一般演題については、SHR賞、YIP(若手優秀ポスター発表賞)、実地医家アワード、女性研究者奨励賞を準備しています。詳細は本ページ「各賞について」の項目をご覧ください。

7. YIA(Young Investigators Award)

これは一般演題からの選考ではなく昨年発表された論文業績をもとに別途応募を受け付け評価します。すでに論文発表されている内容ですので、一般演題にそのまま応募いただくことはないですが、前年の論文業績からさらに発展させた研究成果の一般演題への応募をお待ちします。なお、YIAの募集要項は4月下旬に本総会HPなどにてご案内予定です。

Hypertension Research誌のFast Trackについて

本総会の演題登録時にHypertension Research誌(HR誌)の Fast Trackに応募いただきますと、演題募集期間の締切後に、日本高血圧学会から論文投稿に関するご案内が個別にメールで届きます。そちらに改めて論文投稿いただけましたら、通常の論文査読と別枠で迅速にご審査いただけます。このHR誌の論文投稿受付期間は5月1日~6月30日で、7月中に論文査読と再投稿を行います。採択となった論文は9月の本総会での発表日に合わせて、オンラインで同時掲載になります。

なお、Late-brakingセッションへの応募演題については7月31日までに投稿いただいた論文をFast Track論文として査読対象にします。これらのFast Track論文は特集号に掲載予定です。

(大会長およびHR誌編集委員会から一言:学会の総力を挙げて、研究の論文化の支援を行おうとする活動の一環です。演題応募時から英文論文の作成を視野に入れていただくことで、より質の高い研究発表をしていただけると思います。応募いただく人にとっては、採否が早く判明しますので、学位論文のチャンスを広げ、英文論文作成のモチベーションを高めることにもつながると思います。)

参考:https://www.jpnsh.jp/official_j.html

※一般演題(口演とポスター)の応募時に「Hypertension Research誌(日本高血圧学会の学会誌)のFast Trackへの応募を希望する場合、演題登録画面の該当欄で「応募する」に✓を入れてください。

各賞について

※各賞への応募を希望する場合、演題登録画面の該当欄で「応募する」に✓を入れてください。

1. Splendid basic Hypertension Research Award
(略称SHR賞)

賞の概要

日本高血圧学会総会において、高血圧関連疾患モデル学会(SHR学会)との合同企画として、若手による動物や生体由来データを用いた研究発表に対する褒賞制度として2018年から開始。SHR学会での参加発表の補助金として副賞(SHR学会より10万円)を贈呈する。

応募条件

45歳以下(2024年3月31日時点)。高血圧関連疾患モデル学会員であることは問わない。

選考基準

SHR賞に応募があった実験動物を用いた研究発表の抄録について、SHR学会内の選考委員が採点を行い高得点演題の上位8題程度をSHR賞セッションでの発表対象とする。SHR賞のセッションにおいて本賞の選考委員が当日の発表内容を含め、受賞後の高血圧関連疾患モデル学会での貢献が期待できる者についてSHR賞1名を選考する。

2. YIP(若手優秀ポスター発表賞)

賞の概要

日本高血圧学会における優秀演題を発表する若手研究者に対して今後の発展を期待して顕彰する(若手からの演題応募を促すことも期待)

応募条件

40歳以下(2024年3月31日時点)

選考基準

本賞に応募があった一般演題(ポスター)の中から、査読点を含めて若手活性化に関わる委員会が約10名を選出する。ただし、他の賞との重複受賞は避ける。

3. 実地医家アワード

賞の概要

高血圧はCommon diseaseであり、直接診察するのは実地医家である。実地医家が経験する高血圧の問題点は臨床高血圧にとって重要である。実地医家しか気づくことができない研究に対し、実地医家アワードを授与する。

応募条件

日本高血圧学会の会員で、実地医家として働いている医師(所属は関係しない)
大学や基幹病院の所属でも、実地医療の役に立つ内容であれば対象となる。

選考基準

本賞に応募した対象者の抄録について、学術集会の査読委員による採点に加え、実地医家部会の査読委員による採点を加え、最多得点1名を最優秀賞、これを除く上位若干名を優秀賞として選出する。学会期間中の他の賞との重複受賞については、審査委員会で個別に判断する。

4. 女性研究者奨励賞

賞の概要

女性会員(医師・メディカルスタッフ)の研究活動・学会参加を支援し活躍を奨励することを目的とする。特定の性の方を奨励する趣旨ではありませんが、ダイバーシティの観点で学会において女性の発表が少ないことから積極的な発表を奨励するために設置した賞であることをご理解ください。

応募条件

日本高血圧学会員の女性。年齢は制限なし。

選考基準

本賞に応募があった一般演題の中から、査読点を含めてダイバーシティ推進委員会が若干名を選出する。ただし、他の賞との重複受賞は避ける。

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