第60回日本リハビリテーション医学会学術集会 第60回日本リハビリテーション医学会学術集会

ご挨拶

会長 出江 紳一

第60回日本リハビリテーション医学会学術集会
会長 出江 紳一

(東北大学 名誉教授、
医療法人社団 三喜会 鶴巻温泉病院)

第60回日本リハビリテーション医学会学術集会開催にあたって

第60回日本リハビリテーション医学会学術集会長を拝命し、2023年6月29日から7月2日までの4日間にわたり福岡で本学術集会を開催致します。学術集会テーマを「ScienceとArtをつなぐ 〜これまでの25年とこれからの25年〜」としました。

そもそも科学は人類が直面する戦争、飢餓、病いという課題の解決に貢献するものでなければなりません。しかし個々の領域の直線的で一方向性の発展によって別の新たな問題が引き起こされることが、気候変動、パンデミック、超高齢社会問題、サイバーセキュリティリスクなどで顕在化しています。また持続可能な発展が全世界的な課題となっていますが、これまでの経済成長を前提とした対応の限界が指摘されています。医療においては、患者中心性が重要な価値と認識され、その概念はinformed consentからshared decision makingへ、complianceからadherenceそしてconcordanceへと変化した言葉に反映されています。患者中心医療の実現には遺伝子以上に多様な個人の価値観や生活に関心を払い大切にする心構えと仕組みが必要です。科学の出発点が好奇心であるとしても追究する問いは現在と未来の生活のニーズに基づくことが大切であると考えます。また、科学的発見と開発された技術が生活の場に届き、その恩恵を全ての人類が平等に受けられるようにすることも重要です。この2つを実現する鍵は、適切な問いを間に置いて様々な立場の人々が対話をすることであり、学術集会は正にそのような場であると認識しています。目を30年後の次世代の日本に向けるならリハビリテーション医学が目指すビジョンは地域共生社会の実現であると考えます。

第60回学術集会では、伝統ある本学会の歴史の中でこれまでの25年を振り返り、これからの25年の道筋を構想するような多くの対話が起こり続けるような場と機会を創出すべく全力を尽くします。加えてウイズコロナの中で参加して下さる皆様の安全安心の確保に最大限の注意を払う所存です。保健医療福祉分野、行政、産業界、教育界など様々な領域から多くの方々が参加して下さることを願っています。

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