皆さま、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)世界大会2025 長崎大会のウェブサイトにお越しいただき、誠にありがとうございます。日本支部を代表して、世界中から集う皆さまを長崎にお迎えできることを心より嬉しく思います。
長崎は、1945年8月9日に人類史上2度目の原子爆弾が投下された地であり、広島とともに核兵器の破壊と悲劇を経験しました。この地と広島での被爆者を中心とした長年の訴えは、世界に「核使用のタブー」という概念を広め、「日本被団協」の2024年度ノーベル平和賞受賞へとつながりました。被爆から80年を経た2025年の本大会は、被爆者の声を直接聞かせていただける皆様にとっても非常に貴重な機会でもあります。世界大会を長崎で開催する意義は、核兵器の非人道性を再認識し、「核兵器のない世界」を目指すための新たな一歩を共に踏み出すことです。
本大会のテーマは、「核なき世界~長崎を最後の被爆地に」です。現在の国際情勢では緊張が高まり、核兵器の使用リスクが依然として存在します。その中で、核兵器の使用を断固として許さず、長崎を最後の被爆地とするという強い覚悟を、世界中の皆さまと共有したいと考えています。
核兵器廃絶への道のりは、気候危機や軍拡競争などの世界的に大きな課題が山積する中で依然として最も困難な課題の一つです。しかし、医師や医療者、研究者、そして平和を願うすべての人々が連携することで、未来を変えることができると信じています。2024年12月にはメルボルンで東アジア・太平洋地域会議を開催し、本大会のプログラムを議論するなど、地域としても準備を進めてきました。地域全体で準備を進めてきた成果を、本大会で具体的な行動計画に結びつけたいと考えています。
本大会では、核兵器廃絶運動の進展や課題に焦点を当てるとともに、医療や科学の視点からその影響を議論し、新世代とともに具体的な行動計画を練り上げる場としたいと考えています。特に若い世代には、バイクツアーなどを通じて連携を深め、次世代への強いメッセージを発信する役割を期待しています。
大会の成功は、皆さま一人ひとりの参加と協力にかかっています。長崎という特別な地で、共に学び、語り合い、行動を起こしましょう。この大会が新しいネットワークを生み、平和への強い連帯を築く契機となることを願っています。
最後に、準備に尽力いただいている関係者の皆さま、そして参加を予定されているすべての方々に心から感謝申し上げます。皆さまと長崎でお会いできる日を楽しみにしています。