ご挨拶

会長 戸田正博
日本脳神経外科学会第84回学術総会
会長 戸田 正博
慶應義塾大学医学部 脳神経外科 教授

 この度、日本脳神経外科学会第84回学術総会を2025年10月29日(水)~11月1日(土)の4日間、パシフィコ横浜に於いて開催させて頂くこととなりました。この様な機会を賜りましたことを大変光栄に思っております。

 今回のテーマは、「脳神経外科医の問い -未知なる世界に挑む-」と致しました。あらゆる分野において技術革新が加速度的に進み、数十年前には想像もできなかった世界が現実になっています。過去の経験や知識にとらわれずに、脳神経外科の未来を創造する「柔軟な思考」と「挑戦する姿勢」が必要です。一方、このような激しい変化の中にあっても、医師として患者さん一人一人に思いやりを持って治療にあたることが大切であり、難病を抱える患者さんの願いに答えようとする思いこそ、医療を発展させるための原動力です。日々仕事に追われ多忙な脳神経外科医が、一度足を止めて、これからどうすべきか、将来を見据えて自ら問いかけるきっかけになればという思いから、「脳神経外科医の問い」というテーマにいたしました。

 生命科学は情報科学との融合によりパラダイムシフトを起こしており、さらなる脳神経外科の発展には、異分野との連携、協働が必須です。新たな視点を引き出し、ひらめきや活力を生み出すセッションを企画します。将来を担う若い医師に魅力ある多面的な脳神経外科の活動を示し、様々な視点から未来の脳神経外科医について議論を行います。また、国際化が進む中で、日本から世界へ発信すべきこと、さらに世界を先導できることは何かを議論できればと思います。今回、アジア初となるNF2関連神経鞘腫症の国際シンポジウムを併催します。欧米における難治性稀少疾患に対する研究・治療体制は大きく変化しており、本シンポジウムを通じて、皆様に有用な情報を提供できれば幸いです。

 実り多い学術総会となりますよう、教室員一丸となり全力を尽くす所存です。皆様のご参加を心よりお待ちしております。