会長挨拶

東 信良

第53回日本心臓血管外科学会学術総会 会長

東 信良

旭川医科大学 外科学講座
血管・呼吸・腫瘍病態外科学分野

この度、第53回日本心臓血管外科学会学術総会を開催させていただくこととなりました。このような機会を頂きましたこと、血管外科を担当するものとして大変光栄に感じておりますとともに、会員の皆様に心より感謝申し上げます。

総勢33名のプログラム委員とともに、私が血管外科部門を、旭川医科大学心臓大血管外科の紙谷寛之教授が心臓外科部門を統括して、教室員、事務局が一丸となって鋭意準備を進めております。

この数年で心臓血管外科を取り巻く環境が大きく変わろうとしている中、第53回学術総会のテーマを”Missions for the Next Stage”とさせて頂きました。循環器病対策基本法や働き方改革、施設集約化、新専門医制度といった大きな変革の先にあるNext Stageを見据え、心臓血管外科医としてあるいは学会として我々がとるべき行動・ミッションを再確認する機会にしていただければと考えております。循環器病対策基本計画では、急性期治療に焦点が当てられているだけでなく、予防や早期発見、治療後のケアや予後に関するデータ収集まで計画されておりますので、そうした変革に応え、学会員の皆様が存分に活躍できる環境を整備する重要なタイミングになってくると考えられます。働き方改革を達成しつつ、我々の学会が目指してきた医療の質と医療安全を堅持するためには、若手の育成基盤、魅力ある心臓血管外科医療の展開、多職種との連携深化、ICTの活用、医療機関間連携あるいは役割分担など、専門医育成とも連動し心臓血管外科の将来に大いに関わる重要な課題が山積しております。そうした待ったなしの課題をできるだけ議論できるセッションを多く準備して、皆様をお待ちしたいと考えております。

この2年余にわたって学術活動はCOVID-19感染状況に大きく影響を受け、対面での人的交流や情報交換の機会が制限されてきた状況でありますが、ワクチンや内服薬などの開発も進み、With Coronaであったとしても学術活動を元に戻していこうという動きが国内外で始動しております。Face to faceで議論する環境を取りもどすNext stageに向かう準備は整ってきたのではないかと考えます。これまでコロナ禍で培ってきたオンラインの良いところも生かしつつ、できるだけ現地で熱いディスカッションやコミュニケーションの深化を実現する学会にしてまいりたいと意気込んでおります。

会期は、2023年3月23日(木)、24日(金)、25日(土)の3日間とし、旭川市において開催させていただきます。

まだ冬の寒さの残る北海道までご足労いただくということで、ご不便をおかけすることもあろうかと存じますが、皆様とともにNext stageを切り拓く実り多き議論ができるよう、多くの皆様のご参加、素晴らしい演題のご応募を何卒よろしくお願い申し上げます。

末筆となりますが、皆様のご発展とともに、COVID-19パンデミックが収束し、穏やかな世界情勢の中で学術活動ができる日が戻ってくることを切に願っております。