会長挨拶

第49回日本骨折治療学会学術集会

会長 最上 敦彦

(順天堂大学医学部附属静岡病院 整形外科)

第49回日本骨折治療学会学術集会 大会⻑

この度、第49回日本骨折治療学会学術集会を2023年6月29日(木)・30日(金)・7月1日(土)の3日間、「静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ 」にて開催させていただくこととなりました。この歴史ある学会が静岡で開催されるのは初めてのことで、静岡の骨折診療に従事してきた私にとってはこのうえない光栄であると同時に、重責と使命を深く感じています。本学会が実り多きものとなり、日本の骨折治療の更なる発展につながるよう誠心誠意努力してまいる所存です。

おおよそ3年前から、この日本でも新型コロナ感染症が広がり始め、その間、人の行き来や接触が制限されてまいりました。その結果、多くの学術集会が中止やweb開催を余儀なくされ、本学術集会も多大な影響を被りました。しかしながら、その副産物として、インターネットを利用した会議やセミナー・症例検討会などが各地で頻繁に、かつ自由に行われるようになり、ひと所に集まらずともディスカッションや教育活動が出来る体制が標準化してきたと言えます。一方、学術集会は学ぶだけではなく、学会員同士の交流も大事な要素であり、こればかりはwebに代えがたいものがあります。そこで、本学術集会には以下3つの改革を施すことを計画しております。

①“インターネット”を駆使した運営

現地開催を原則としつつも、可能な限りインターネットを駆使したライブ配信・オンデマンド配信を併用した「ハイブリッド開催」を堅持します。加えて、事前登録した発表演題(スライド)を学術集会ホームページから閲覧可能とすることで、学術集会開催前・後での「質疑応答」を可能とします。

②“議論”を重視したメイン会場、“楽しく学ぶ”サブ会場

メイン会場(第1〜6会場)の数を絞り、その中心に「シンポジウム」・「パネルディスカッション」・「主題」を据えて、密度の濃い議論を展開したいと考えております。一方、サブ会場(A〜F会場)では各種セミナー・ハンズオンといった特別企画を多数用意して、若手やコメディカルにも楽しく学べる環境を提供します。

③“3日間”の開催期間

木曜日・金曜日は、“現地学会”として上記②をグランシップ静岡で「リアル開催」します。土曜日は、“Web学会”として教育研修講演や一般口演(※質疑応答含む)を上記①に準じて“Webライブ配信”で執り行います。

今回のテーマですが、“Do The Best We Can!” とさせていただきました。患者さんは常にBest(最上)の治療を受ける権利を有しており、われわれ(骨折治療医)はBestの治療を提供する義務を負っています。しかしながら、この骨折治療という分野は、対象部位は多岐にわたり、かつ、治療方法も診断・治療器械の進歩により大きな変革を遂げ、「果たして、何がBestなのか?」・・・状況は混沌としています。それを今回、学会員の知識と知恵を総動員して明らかにしたいと思っております。文末は“We Can”と致しましたが、これは自分(個人)に出来る精一杯という意味ではなく、われわれ(骨折治療医)が成さねばならないこと(“We Must”)を知る、または出来るようになる(“We Will”)という意味も込めております。

静岡はお茶処として有名ですが、ほかにもミカン・イチゴ・メロンなどの果物や鮪・鰻・しずおか和牛といった食の宝庫でもあります。そしてなにより、霊峰富士に抱かれた聖地であります。幸いにもコロナ禍は、本学術集会を前に収束の兆しを見せております。まだまだ油断は出来ませんが、学会員が一同に会し、熱く議論を交わし、大自然の恵みを思う存分堪能出来ることを願ってやみません。多くの先生方のご参加を心よりお待ちしております。

2023年5月現在

※新型コロナウイルス感染症拡大状況により
予定変更の可能性がございます。