会長挨拶

第62回日本リウマチ学会総会・学術集会、会長:齋藤 知行(横浜市立大学大学院医学研究科運動器病態学 教授)

第83回日本循環器学会学術集会 会長
日本循環器学会 代表理事
(東京大学大学院循環器内科学 教授)
小室 一成

過去から未来へ - 平成最後の日本循環器学会を主催するにあたって

人口の超高齢化に伴い、循環器疾患の患者数・死亡者数は急増し疾病構造も変化しています。このような急激な変化に対応するためには、医療・学術などあらゆる面で、これまでの循環器病学の伝統を継承しつつも新しい世界を創造していくことが求められます。本学術集会では、問題解決のための戦略とこれからの方向性を示すことができればと考え、テーマを「循環器病学Renaissance - 未来医療への処方箋」としました。

本学術集会では今までにはない企画が沢山ありますのでトピックスを含めてその一部をご紹介します。まず開会式ですが今までと異なり初日の午後から行います。東京五輪招致でも有名になったenraのパフォーマンスから始まり、会長の挨拶に続いて、AHA, ACC, ESCなどの理事長、厚生労働省、日本医師会、日本心臓財団の代表者からお言葉をいただきます。続いて行われる日本心臓財団設立50年記念シンポジウムでは財団50年の歴史と共にこの50年の循環器診療の進歩に関して我が国を代表する三人の方にご講演いただきます。2日目の授賞式では有名な俳優さんからのビデオメッセージがあります。午後には、代表理事講演の後に横浜宣言を行います。真下記念講演には細胞増殖・分化に極めて重要なTGF-βの受容体を同定しその細胞内シグナル伝達機構を解明された宮園浩平東京大学教授を、美甘レクチャーにはVEGFを発見し血管新生の機序を明らかにされたNapoleone Ferrara教授(UC San Diego)をお迎えしました。会長特別講演として糖尿病学会理事長である門脇孝東京大学特任教授からはphysician scientistとしての糖尿病研究について、三宅淳大阪大学教授からは現在注目されているAIの医療応用について、山海嘉之筑波大学教授からは世界初の介護ロボットスーツHALの開発についてご講演いただきます。その他にも特別講演、招聘講演、プレナリーセッション、シンポジウムなどに200名を超える著名な先生方をお招きしています。ディスカッションを盛り上げるためにLate Breakingセッションや一部の英語セッションにディスカッサーを置きました。また従来から行われていたアンサーパッドを用いたアンケートに加えて、今回はアプリのツイート機能を用いた、演者への意見や質問を受け付けることが可能な会場を設けています。ダイバーシティー推進の視点から若手や女性ばかりでなく、海外からの参加者にも多くの座長や講演をしていただくとともにアジアからの参加者にはドクターJCSアジアチャンピオンシップにおいて国を代表して競っていただきます。単に研究成果を発表するだけではなく、そこから未来を展望するような斬新なアイデアが創出される場となるプログラムを目指しました。

参加者としても循環器診療に携わるメディカルスタッフばかりでなく、国会議員や厚労省・文科省の行政官、医師会、AMEDの方、さらに会長特別企画「学会と患者会の新しい関係?繋がり共に歩む」では患者の方にもご講演いただきます。30、31日の2日間、駅から会場までの途中にあるクイーンズスクエア横浜において一般市民の方に循環器病や循環器診療を知っていただくためのスペースを設けました。日本心臓財団、日本臓器移植ネットワーク、日本AED財団、大阪ライフサポート協会のご協力を頂き、シミュレータを用いたカテーテル治療の体験コーナー、ゲーム感覚で楽しめる子供向け心肺蘇生法学習コーナー、クイズ形式で医学の歴史や循環器疾患を学べる展示コーナーなど、誰でも楽しめるイベントを企画しましたのでご家族の方にもご案内いただければと存じます。

FJCSの先生方専用のお部屋として横浜港が一望できる国立大ホール1階のマリンロビーにFJCS ラウンジを設けました。入り口にはFJCSのお名前を掲示してあります。眺めの良い、ゆったりとしたスペースには常時軽食と飲み物を用意してありますので、working placeやリラックススペースとしてご活用下さい。

一般演題には海外からの132題を含め計3,153題の応募があり、そのうち2,194題を採用しました。Late breaking Session (LBCT/LBCS)には、105題の応募をいただき36題を採用しました。チーム医療セッションでは、シンポジウム公募に8題の応募があり6題を採択、一般演題には261題の応募があり228題を採択しました。新たな試みとしてポスター発表の中から優秀な演題のみを集めたベストポスターセッションを企画し42題を採択しました。今回メディアルームを設けており、ガイドラインやLate breaking Session、さらには話題性のある演題の発表者にはメディアルームにおいてメディアからのインタビューを受けていただくようにしましたので、素晴らしい研究成果を広く発信していただければと存じます。

昨年12月の臨時国会において長年の悲願であった「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立しました。今後我が国の循環器診療・研究は大きく変わっていくことと思います。2019年はまさに循環器病学の新たな歴史が始まる年です。横浜から世界へ、過去・現在から未来へと、平成最後の本学術集会が新たな循環器病学の船出となることを祈念しています。