メディカルスタッフ
プログラム

私たち医療従事者の使命は、安全安心な医療サービスを提供することです。厚生労働省は平成13年『安全な医療を提供するための10の要点』を策定しました。その中には「ルールを作り守ること」「患者の参加」「経験や教訓を共有すること」「多職種で取り組むこと」など医療安全文化の醸成に必要なことが示されています。医療安全に関する考え方は年々変化し進歩します。カテ室業務に携わる私たちも、新しい考えを取り入れ、安全安楽な質の高いカテ室の体制を構築していきましょう。

タスクシェア・シフトが推進され、今まで医師が行なっていた行為を診療の補助業務として多くのメディカルスタッフが担う時代になりました。メディカルスタッフがそれぞれの専門性を発揮し安全に業務拡大をしていくためには、診療の補助業務に関するスキルを身につけるだけではなく、職種ごとの業務範囲を正しく理解し合法的に医師らと協働する必要があります。相対的医行為とは？包括指示とは？患者への説明と同意は？実施後の記録の方法は？それぞれの施設でタスクシェア・シフトの仕組みを構築するときに押さえておくべき法的知識やヒントを得て、明日からのタスクシェア・シフトに役立てていただきたいと思います。

PCIにおいて高度石灰化病変は治療難易度をあげる要因となる。その石灰化病変の診断から治療までの様々な戦術は最重要ポイントとなり、治療の成功率を上げる・合併症のリスクを下げる要因になり得る。本シンポジウムでは石灰化病変戦術に対する、診断から治療中アセスメントまでの流れを網羅し、ビギナーからベテランまでタメになる基本から最新の"みる！"をお届けする。

AI技術は、医療現場における様々な領域で活用されはじめており、その広がりは想像を超えるスピードで進んでいる。このセッションでは、そのAIによって変革が期待される新しい環境や技術を集めて紹介し、循環器診療の新たなステージを参加者と共に感じられる機会としたい。

冠動脈のプラーク情報は、カテーテル治療を行う上で大変重要である。血管内イメージングのIVUSやOCTはその情報を得るための代表格ではあるが、近年ではCTによる解析も進歩している。このセッションでは、血管の内外とアプローチの異なる様々なモダリティによるプラーク解析の最前線について紹介いただき、携わる技術職間での情報共有の場としたい。

分岐部病変では、イメージングガイドに病変を立体的に捉え、ストラテジーを組み立てることが求められます。そこで本セッションでは、イメージングの違いで遠隔期成績に差は出るのか、合併症に差はでるのか、などを論文引用や経験症例からディベートしてもらい、あなたが治療サポートするならどっち？を一緒に議論出来ればと思っています。

医師をはじめ、看護師、臨床工学技士などカテ室で働くスタッフは常に患者の安全を考え行動しています。しかし、その裏には常に放射線被ばくの危険に晒されています。日頃、放射線被ばくに関して、疑問や悩みを少なからず持っていることでしょう。このセッションでは皆様のモヤモヤを共有することと、エキスパートの放射線技師が解決する60分にします。

カテ中の患者は狭く硬い検査台の上で時に長時間の同一体位を強いられるため、私たち看護師は皮膚障害や神経障害の予防や腰痛などの苦痛緩和、患者の関節可動域などに配慮してポジショニングを行っています。一方、医師にとって術中の体位は安全・確実な動脈穿刺や手技中の操作性に影響をきたす重要な関心ごとでもあるでしょう。
このセッションでは、医師・看護師それぞれの立場からディスカッションし、患者の安楽と穿刺・手技中の操作性を両立させる安全なポジショニングについて考察します。

まずバーチャルFFRの原理など基礎的な部分を把握した上で、実際に多くの症例を経験している施設での自施設なりのやり方を紹介してもらい、バーチャルFFRが現在置かれている立ち位置を理解し、今後どのように利用することが理想的なのかを討論し、バーチャルFFRの普及に貢献できるような内容としたい

一昔前は看護師が行なっていた「薬剤指導」「栄養指導」「運動指導」などですが、近年は様々な医療専門職者がベッドサイドで直接患者に指導を行いチームで患者の療養生活を支援する時代になりました。このセッションでは、それぞれの医療専門職の患者支援の実際を知り、患者が生活に取り入れられるよう促進し支援する看護の役割について深めていきたいと思います。

様々なデバイスやアプローチを選択しながら治療を行うEVT。このセッションではいかに患者様の侵襲を減らして治療を行うことができるのか、と言う所に焦点を当てました。たくさんの経験をされている施設の先生たちから基礎やTipsを学び、日常診療に活かしていただけたら幸いです。

PCIによる早期血行再建術により、STEMI患者の院内死亡率は約5％まで低下したが、ショックを伴う症例では、2018年の東京CCUネットワークデータで院内死亡率は32.2％と依然として高い。循環不全患者の予後を改善するためには、機械的循環補助（MCS）をより効果的に使用する必要がある。また、MCSを必要とする重症患者の治療は医師だけでは不可能であり、臨床工学技士、看護師、理学療法士など多職種の連携が不可欠である。本セッションの目的は、重症ショック患者に対するMCSの適切な選択、タイミング、導入後の管理について、医師と臨床工学技士の立場から議論することである。さらに、MCSによって救命され、心機能が回復しない患者に対して、どのような場合に補助人工心臓や心臓移植を考慮すべきかを明らかにする。

冠動脈CTはPCI前に施行される検査として定着し、FFRCTのようにCTから得られる情報を利用し治療が行われるようになってきた。空間分解能や時間分解能により優れたクオリティの高い画像も得られるようになり、PCI治療計画への活用も期待されている。そこで、前回のCVIT2023でも行われた「CT guided PCI」の続編として、より具体的な活用方法について掘り下げ、その可能性を探りたい。

みなさんのご施設ではどのようにカテ室スタッフを育成しておられますか？育成に行き詰まったり悩んだりしていませんか？育成のための体制作り、指導内容や評価の方法、世代の違うスタッフの理解や接し方、、、、その悩み、みんなで考えてみませんか？多職種が協働するカテ室だからこそ、全職種で協力しあって教育することができたら、理想的なチーム医療につながるのではないでしょうか。

CMDの概念が注目を集める中、その成因の一つとして冠動脈狭窄を伴わない心筋虚血（INOCA）があり、IDPまたはFCAによる個別化治療が推奨されている。本セッションでは、INOCA診断の最新概要および実際の手技や注意点について教育的な講演をして頂く。

2013年からTAVI、2018年からMitra clipなどのSHDデバイスが日本で承認され、国内の多くの施設で実施されている。TAVIにおいては2021年からもHD患者への適応拡大などSHDにおける現状の把握し、メディカルスタッフとして今後どう取り組んでいくのか？また実際にSHDを行う上で必要な画像診断知識を再確認する。