会長挨拶

このたび、第50回日本股関節学会学術集会を2023年10月27日・28日、福岡市にて開催させて頂きます。本学術集会は1974年（昭和49年）に日本股関節研究会としてはじまり、1992年（平成4年）の第19回から日本股関節学会に名称を変更して開催されるようになりました。第50回を迎える記念すべき学術集会を主催させていただき、大変光栄に存じておりますとともに、その重責に身の引き締まる思いでおります。

本学術集会のテーマは「股関節道　Sprit of Hip Surgeon」とさせていただきました。今や、股関節外科医が執刀する手術の多くは人工股関節全置換術であり、この優れた手術が股関節外科医の強みであることは言うまでもありません。一方で、我が国には先人が作り上げ脈々と受け継がれてきた関節温存手術があり、日本股関節学会はそれを継承し、発展させる使命があります。また、近年では股関節鏡視下手術の手技も確立されつつあり、股関節外科の新たな領域として発展しています。若い先生方には、人工関節だけではない股関節外科医としての幅広い知識と技術を身に着けて、将来の股関節学を担ってほしいという気持ちを込め、今回のテーマとさせていただきました。

本学術集会では様々なシンポジウム・講演を用意しました。まず半世紀にわたる歴史を振り返る50年記念シンポジウム・講演を企画しました。次にキーワードとして「自然経過」「男女共同参画」「患者参加」「CAOS」「AI」などをリストアップし、それらに関連したプログラムを企画し、ベテランから中堅、そして時代を担う若手まで、それぞれ興味をもって参加して頂けるように致しました。海外招請講演では、European Hip SocietyのpresidentであるKlaus Siebenrock先生には関節温存手術、William J. Maloney先生には人工股関節置換術、Marc Safran先生には股関節鏡視下手術についてお話いただける予定です。またHip Society presidentのWilliam Jiranek先生、Korean Hip Society presidentのKee Haeng Lee先生にもご講演賜ります。

秋深まる10月の福岡は、気候も良く食べ物も美味しい季節です。福岡では新鮮な海の幸、山の幸と九州各地の様々な食が揃っています。ぜひ、本学術集会にご参加いただき、発表や聴講の合間には福岡の秋の味覚をお楽しみいただけたらと存じます。

本学術集会が実り多い学会となりますよう、教室をあげて鋭意準備を進めて参る所存です。多数の先生方と学会場でお会いできることを楽しみにしております。