第57回日本医学教育学会大会

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ご挨拶

大会長ご挨拶

第57回日本医学教育学会大会 大会長
羽渕 友則(秋田大学医学部長、大学院医学系研究科長)

「次世代の医学・医療を拓くデジタル教育の新たなステージへ
-All For Patients, All Together! 理想的なチームビルディングを目指して-」

 この度、第57回日本医学教育学会大会を2025年7月25日(金)~27日(日)に秋田市にて開催させていただくことになりました。歴史ある本大会を主管する栄誉を賜りましたことを皆様に心から感謝申し上げます。本大会開催は、医学教育の発展に留まらず、秋田の医療充実のためのこの上ない貴重な機会となることと考えます。秋田大学医学部・関連病院協議会の関係者一同、感謝と共に、鋭意準備を進めております。

 秋田大学医学部は、県民の強い熱意が原動力となり、旧秋田県立中央病院を国に移管して医学部附属病院とする方針で、戦後初の国立大学医学部として1970年に創設されました。

 開設当初から医学教育を重視し、良き医療人を育成することにより臨床や研究の充実に結び付けることを目標にしており、1年次からの基礎医学講義(1970年~)、学外の関連病院における臨床実習(1976年~)、卒業試験として16ステーションのPCC-OSCE(2001年~)を開始するなど、欧米の新しい医学教育の流れを取り入れ、学内の教職員のみならず県内55か所の関連病院の指導者の皆様とともに教育改革を進めてきました。さらには各分野横断的な教育専門部門設置による教育体制構築を重視し、医学教育センター(2006~2010年)、総合地域医療推進学講座(2008年~2013年)、シミュレーション教育センター(2012年~)、医学教育学講座(2013年~)、総合臨床教育研修センター(2014年~)、先進デジタル医学・医療教育学講座(2022年~)を開設してきました。現在、これら教育専門部門が協力し、学内および関連病院の医師・医療者間での教育情報のデジタル化・共有化を推進することで、次世代の医療の質向上を目指しております。

 このような歴史的な経緯から、今回の秋田大会は秋田大学医学部と秋田大学関連病院協議会の共同主催として開催させていただくこととしました。高齢化、過疎化、多様化する社会情勢の中で次世代の医療の質を向上していくには、卒前・卒後教育から生涯教育へとシームレスに医療の質を保証する同職種・多職種チームを構築する教育をどう展開できるかがこれまで以上に鍵になってきます。それには、近年、急速に普及してきているデジタル教育手法をより効果的に活用して、各チームの質を継続的に向上する教育体制づくりが重要であると考え、今回のテーマといたしました。

 本大会をきっかけに理想的なチームビルディングのための効果的なデジタル教育の在り方を継続的に考える機会を全国の皆様とともに創出できればと考えております。会員の皆様をはじめとして、ご参加いただくすべての皆様にとって記憶に残る有意義な大会となるよう準備を進めてまいります。是非ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げますとともに、秋田大学医学部、関連病院協議会一同、全国からの多くの方々のご参加を心よりお待ちしております。

実行委員長ご挨拶

第57回日本医学教育学会大会 実行委員長
長谷川仁志(秋田大学大学院 医学教育学講座 教授、
総合臨床教育研修センター長、日本医師会生涯教育推進委員会委員長)

『All For Patients, All Together! 理想的なチームビルディングを目指して』を合言葉に、是非、この機会に世界最高齢社会の先頭を走る秋田に集まって、次世代の医学・医療教育のあり方について熱く語り合いしましょう!

 この度は、歴史と伝統ある本大会の実行委員長という大変光栄な機会をいただきまして本当にありがとうございます。私は、本学会の皆様からご教示いただきながら、教育の主役である学内各講座・部門と県内関連病院の指導者の皆様、日本医師会・秋田県医師会をはじめとする各医療者団体の皆様、国・県の医療および教育行政の皆様とともに、入学前教育~卒前教育・卒後臨床研修~生涯教育までシームレスに教育改革に関わってくることができました。この間、医療情報の爆発的な増加とともに医療の高齢化・高度化・多様化が進んできましたが、1995年以降のインターネットの普及がそれらの変化を加速し、医療提供体制やチームの在り方は大きく様変わりしてきました。それと同時に急速に進められた各種医学・医療教育改革も実際に体感してくることができました。2023年からは生成系AI時代を迎えており、本大会のテーマには、これからの時代により理想的な医療を実現していくためのメッセージを掲げております。本大会の理念として、テーマの背景となる医師・医療者がこれまで以上に強調して生涯向上していくべき3つの基本的な目標について『秋田宣言2025』案として示します。

『秋田宣言2025 案 :卒前教育から生涯教育まで一貫したこれからの医学・医療教育の基盤』 〇すべての医師・医療者は、より理想的な医療を実現していくために
  1. 思いやりの心・誠実さ・信頼性・心理的安全性・省察する意識を持ち、行動する。
  2. テクニカルスキルのみならず、理想的な組織やチームビルディングのためのノンテクニカルスキルを修得、拡げ、チーム医療の質を継続的に向上させる。
  3. 良質な各種デジタル教育を各チーム、組織全体、患者や社会も活用することで、卒前から生涯に繋がる一貫した優れた教育体制を構築する。

 本学では2022年に先進デジタル医学・医療教育学講座(及川沙耶佳特任教授)を開設し、学内と県内関連病院の指導者の皆様と共に卒前教育から生涯教育まで一貫したデジタル教育ネットワークを構築して各種教育企画や情報を共有することで、同職種・多職種チームの質を継続的に向上することを目指しています。
 是非、この機会にたくさんの皆様に秋田大会にご参加いただき、これからの医学・医療教育のあり方について考え、熱く語り合うことができれば幸いです。
 皆様のご参加を心からお待ちしております!

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