第9回世界矯正歯科学会(9th IOC)バーチャル開催に係る寄附金創設の趣意書
- 第9回国際矯正歯科会議世界大会
- 大会長 小野 卓史
今を遡ること7年前、ハワイ・ホノルルで開催されたアメリカ矯正歯科学会において世界矯正歯科連盟(WFO)は、2020年の第9回世界矯正歯科学会(9th IOC)は横浜で開催することを決定しました。このように、2012年5月6日は、アジア初の世界規模の矯正歯科学会を開催したいとする日本矯正歯科学会の積年の悲願が成就した記念すべき日となりました。
しかしながら今般の新型コロナウィルス(COVOD-19)の世界的な感染拡大の影響を鑑み、WFOと日本矯正歯科学会(JOS)は、9th IOC、第12回アジア太平洋矯正歯科会議(12th APOC)および第70回日本矯正歯科学会学術大会(79th JOS)はの合同会議の開催形式について様々な観点から見直しを検討してまいりました。その結果、横浜での開催を断念し、バーチャル開催とする運びとなりました。
初めてのバーチャル開催となる9th IOCは、『矯正歯科の視界を広げる:健康科学の始点としての矯正歯科』のテーマのもと、矯正歯科領域における最新の知見や、臨床・基礎研究の結果を共有する素晴らしい機会となります。また、12th APOCならびに79th JOSも併催され、これまで欧米主導になりがちであった矯正歯科の領域における日本の、またアジアのプレゼンスを示す、またとないチャンスです。
9th IOCにおける教育・研究環境の整備や国際交流事業の推進には、安定した独自の財政基盤の充実が必要です。このため、「9th IOCに係る寄附金」を創設し、多くの企業・団体・個人の皆様にご協力をお願いすることにいたしました。寄附金はまず、次代を担う海外の若手学生・レジデントに対するeducational grantに充当いたします。さらに、バーチャル空間での開会式・閉会式をはじめとした行事やプログラム作成、システム構築にかかる費用のために充当され、国内外からの参加者の満足度の向上に大きく寄与いたします。
2020年は、第1回IOCから数え25周年に当たります。COVID-19の世界的影響の中にありながらも、次の25年への期待を込めて、最初の四半世紀の集大成を示す道標として参加者の脳裏に深く刻まれる記念大会としての役割があります。記念すべき国際学会である9th IOCを成功裡に収めるために、格段のご協力を賜りますようお願い申し上げます。